君は冷蔵庫から、キンキンに冷えた赤ワインとカシスリキュールを取り出す。 そして、それをワイングラスに注いだ。マドラーでゆっくり静かに混ぜ合わせる。 つい、その綺麗な所作に見惚れてしまう。 自然なカシスベリーの甘みで飲みやすい、このカクテルが私は大好きだ。 君は、きっと知らないんだろう。それが少し嬉しくて、でも胸の奥が、きゅっと痛んだ。