窓から陽が差し込む暖かい中央棟を、尽きることのないなんでもない話をしながら二人並んで歩いて行く。

本当の事を言えば、高身長イケメンで明らかに一群男子の海東をちょっと近寄り難いと思っていた。
だけど、こうして接してみれば、話しやすいし全然気を使わない。

それに…

腰の位置おかしいくらい足長いのに、俺全然疲れてない。絶対歩幅合わせてくれてる!

めっちゃ良い奴じゃん。

「1階の見取り図は前のページに…あっ…」

1階と2階を結ぶ階段の踊り場に来た時、ページを捲ろうとした生徒手帳が手から滑り落ちた。

急ぎ屈み拾い立ち上がると…

視界が揺らいだ。


ヤバッ…


よろめき体勢を崩すが、反射的に出た足で持ちこたえた。

かに見えたが…

"グギッ"と聞こえない音が聞こえた。


これはマズイ…


変な角度に曲がる足首。

そこにかかる全体重。

堪えきれず床に倒れた。