「この不良ども、そういう話は先生が聞こえないとこでしろー」

亘理先生だった。

「先生がいないとこだったら良いのかよー」

「そういうことを聞くなー、ダメって言うしかないだろう。」

「なあ、先生今の話聞かなかったことにしてくれよ。」

「出来る訳ないだろ。ライトアップの時も先生達見回りに行くからな。」

「「「「ええー!」」」」

「ライトアップは大人になってから皆で行け。いいなー!先生ちゃんと言ったからな!それと、お前ら早く帰れよ!」


先生はそれだけ言って行ってしまった。


「今回はライトアップはなしだな~」

「まあ、しょうがねーな。」

正直、ライトアップを見に行けないのは残念だ。

大人になったらか…

俺は勇、シマ、ウメの顔を順に見て、最後に海東の横顔を盗み見た。

海東とはまだ短い付き合いだけど、これからも変わらずつるんでいくだろう。

そして、この四人となら、大人になっても集まってバカなことして笑っている想像が容易に出来た。

ふと、海東が視線に気付いたのか目があった。

微笑まれて、トクンと胸が鳴る。

トクン?

どうやら相変わらずの顔面凶器に俺の胸が耐えられず変な音を鳴らしたようだ。

凄い威力。

俺も微笑み返し、皆の方へ視線を戻した。

きっと、大人になったら海東ともライトアップを見に行けるだろう。

それまで、楽しみに待っていよう。