その喧騒の中を通り、空席になっていた俺の隣の席に来た海東と目が合った。

「よろしく。俺、山上。」

「…よろしく。」と海東が微笑む。

眩しい…

顔面凶器か…

「あっそうだ、山上ー！時間あるとき海東に校内案内してやって！」

騒ぐ奴らの頭上を乗り越えて、張り上げた先生の声が届く。

「はーい！」

校内案内かー
うちの学校めちゃくちゃ広いんだよなー
高校の敷地面積県内1位は伊達じゃないんだって。

「なあ海東、試験前で今日明日と午前中で授業終わるから、校舎内は今日の午後案内して、校舎外は試験終わってからの案内でも良いか？試験の後だったらついでに部活の案内も出来るし。」

「うん、俺は山上の都合の良い時で全然大丈夫だよ。」

「じゃあ決まりな。」