「くっ…早く決めろよな!」

高橋は捨て台詞の様に言って空き教室を出て行った。


「なあなあ、コン。どんな手を使ったんだよー」


俺もシマも勇がカンニングしたとは思っていないが、何かしらの何かはしたのではないかと考えていた。


「なんもしてないぞ。」

「なわけねーだろ。3位だぞ、3位!」

「本当に何もしてないんだって。」

「信じられるかよ。なあ、ダイもそう思うだろ?」

「いや、チョーナンはなんもしてないぞ。」

「ああ!?どういうことだよ。」

「なんて言うか、逆に今までがなんもしてなかったんだよ。こいつ手ー抜いてやがったんだ。」

「「はあ!?」」

「まあ、そういうことだ。」


中学から成績が悪くなっていたのは、中学からずっと、高校入試さえも本気でやってなかったって事か!?

嘘だろ…


「勇、なんだって手ー抜いてたんだよ。」

「色々思うことがあったんだよ。それだけの話だ。」

「マジかよ…」

「ウメは中学の時から知ってたのか?」

「直接聞いた訳じゃないぞ。まあ、あんだけ頭良かったのにいきなり順位下げれば、わざとやってんのかとか、何かあると思うだろ。」

「「思わねーよ。」」


なんだ、だから二人共余裕そうな顔してたのかよ…


「にしても、コンには驚いたけど、それ以上に海東に驚かされたよな。」