「コーン!はよー!」

登校時、前を歩くコンを見つけ駆け寄った。

学校で勉強しようと俺にしては超珍しく早起きして家を出たが、コンも考えることは一緒だったようだ。

「お前も今日は歩きなんだな。」

「ああ、ちょっとあってな。」

「聞いてくれよ!朝起きたらチャリパンクしててさー!」

「はっ?お前も?」

「お前もって、コンも?」

二人顔を見合わせたタイミングで、「俺も」と後ろからやって来たダイも加わった。

「三人同時にパンクって俺ら変な道通ったのかな?」

「四人だな。」

コンがスマホを翳す。

見れば、四人宛にアルからメッセージが届いている。

「アヤの家遠いからな。足大丈夫かな?」

「ちょっと電話してみる。」とコンがアルに電話をするが出ない。

「アル何かあったのかな?」

「気付いてないだけだろうが、万が一に備えて対策打っとく。」

コンはまた電話を掛けた。

「あー、朝っぱらからわりーな。アヤからのメッセージ見た?うん、でさ、海東チャリ持ってる?」

電話の相手は海東だった様で話があれよあれよと進んでいく。

「荷台付き?最高だな。じゃーよろしくな。」

電話を切ったコンは「海東にアヤ迎え行ってくれるよう頼んだ。」と俺らに説明をしてスマホを仕舞った。

テスト当日からタイミングが悪いって言うか、こんな"偶然"もあるんだなー