目を見張るほど整った顔つき、長身でモデルみたいな奴だと思った。

しかも、髪は金に近い茶髪で校則では完全にアウトだ。

「もう知ってる奴もいるかと思うが、今日からこのクラスに新しい仲間が加わります。海東、挨拶して。」

挨拶をする海東に教室中が注目する。

格好良い奴は挨拶もスマートだと思った。

俺なら緊張して名前とよろしくぐらいしか言えない。

「始めに言っておくが、海東の髪は地毛だからなー、校則違反とか言ったらぶっとばすぞー、鹿島先生がー」

「亘理先生じゃねーのかよー」

「私は優しい先生だからそんなことしませーん。」

鹿島先生は、美人で落ち着いた先生で女子以上に男子に結構人気だ。だから、寧ろぶっとばされたいと思う男子生徒が多いのではないか?亘理先生そんなこと言って大丈夫か?

実際、「ぶっとばされたい!」とクラスから数人から声が上がった。

「因みに、昇降口前の銅像を蹴りで壊したのは高校生時代の鹿島先生です。皆、口には注意しような。」

クラスが水を打ったように静まり返った。

「「「えっ!?どういうこと!?」」」

「海東の席は一番後ろの窓側の席な。はーい、これから球技大会の大事な話しまーす。」

無視して話を続けようとする先生に、クラスの騒がしさが増していく。