「終わったけど、どうしたの?」

「待ってたんだ。アル、海東、一緒帰ろうぜ。」

「おう。」
「うん。」


海東は顔には出してなかったが、突然言われて困惑してないだろうか?

荷物を取ってきた俺達が空き教室で勇達と合流したところで亘理先生が通り掛かった。


「お前らー、早く帰れよー」

「先生こそ、早く帰れよー」

「梅沢、お前どこ目線で言ってんだ。」

「だって、新婚だろ?奥さん帰り待ってんだろ。」

「えっ!?先生結婚してたの!?」

「先生、寮に住んでるって聞いたけど。家族で寮住めなかったよな?」

「別居とか?」

「結婚してるって話がガセだったとか?」

「いや、別れたんじゃね?」

「先生の妄想ってことも…」


思い思いの事を口に出せば、先生はフルフルと握った拳を震わせる。


「お前らー、それ以上言うと先生泣くからなー」

「はいはい、いつもの泣く泣く詐欺でしょー」