「校舎内はこんな感じ。じゃあ校舎外はテストの後で。」

「うん、ありがとう。」


朝、教室で海東に会うなり、ケガは大丈夫かと聞かれた。

それは、凄く心配そうに。

保健室で手当てを受けた後、母さんは仕事を抜けれないのは分かっていたから連絡はしなかった。なので事情を話して家には亘理先生の車で送ってもらった。

その時…


「この湿布薬、凄く利くからやるよ。」


と、亘理先生から見るからに怪しい湿布をもらった。

パッケージに入っていない、ジップロックに入った黒い湿布を…


「先生が作ったとか…」

「知り合いがな作ったんだが、怪しくないぞ。決してな。」


めちゃくちゃ怪しい…


「その目は怪しんでるな…ああっとだな、隣駅にある北野製薬にな、教え子が働いてるんだ。その子がたまに持って来てだな。"まだ"販売はされてないが、ちゃんと治験もされてるから安心していいぞ。でもこの事は内緒な。」


更に怪しい…


「まあ、無理強いはしないから、捨ててもいいからな。」


とは言われたが、試しに使ってみたらあんなに腫れて痛みで歩けなかったのに、嘘のように良くなった。

別の意味で怪しさが増した。