お姫様抱っこは断った。断ったけど、それでもお姫様抱っこをしたのは海東だ。

だけど…

原因を作ったのは俺だしな…

少しばかり責任を感じる…


「ああ~でも、話してみると結構良い奴だったぞ。」

「へえー、アルが言うなら声掛けて見ようかな!ダイも一緒行こうぜ。」

「ああ。」

「ふう~ん、アヤが言うなら俺も声掛けてみようかなー」


意外にも勇からの反応も良かった。


「コンにしては珍しいな。お前見かけに依らず人見知り激しいから暫らく様子見かと思ってた。」

「普段滅多に誉めないアヤが誉めたんだぞ。興味が湧いた。」

「俺、誉める時は誉めてるし!」

「じゃあ、モトの事誉めてみろよ。」

「えっ!?俺!?」


シマを誉める…
ん~


少し考え、俺はほぼ同じ身長のシマの頭に手を置いた。


「良い子…」

「「「何か違う!」」」

「そうじゃない感が凄いわね。でも悪い褒め方じゃなかったわ。」

「うん、俺、誉められてキュンとした…」


えっ…何が違かったのか分からない…


「おーい、そこの幼馴染み5人組ー」


呼ばれて声の主を見れば、先ほどまで校門に立っていた風紀委員長の一条先輩だった。


「早く教室行かないと遅刻するぞー」

「ヤバっ!」

俺達は息を合わせたように一斉に走り出した。