シマの言葉にドキッとした。

あの時撮られてはいたが、流石に出回ることはないだろう。


「あるわけなー」

「あるわよ。」


俺の言葉に、どこからともなく現れたこーちゃんの声が被さった。


「ええっ!?」

「カク、何で持ってんの!?」

「私を誰だと思ってるの?私の情報網を舐めるでないよ。」


ニヤリと笑うこーちゃんがふるふると振るスマホに映し出された画像は、ぶれて鮮明には見えないが正しく昨日の物だと俺には分かった。


「ちょ、カク、良く見えない!」


手を掴んで画面を良く見ようとするシマからスマホを遠退けると、シマがこーちゃんにすがり付く。


「ご無体な!カクさん、それを見せておくれよー!」

「わーかったからー!皆の衆、控えおろう!」


シマは直ぐに離れ、見るからにワクワクしながら待った。


「この画像をとくと見よ!」


天下の宝刀、かの印籠を掲げる如く出したこーちゃんのスマホの画像に群がる3人を後ろから眺めながら思う。

格さんの様に見えて悪代官…