王子様を具現化した様な海東がお姫様抱っこをして階段を下りていく姿に、残っていた生徒が一斉に視線を向ける。
一瞬訪れた静けさ。
次いで起こる、黄色い悲鳴。
「キャー!何あれ!ヤバい!」
俺の心が一番ヤバいから…
周りからの視線の恥ずかしさに両手で顔を隠すが、女子達の黄色い声がより鮮明に耳に聞こえるようになってしまった。
「ヤバい!思考が追い付かない!」
「暗記したやつ全部とんだんだけど!」
「写真に納めないと!」
「あのお姫様抱っこしてるイケメン誰!?」
「抱っこされてるの山上君だよね?」
もう、放っておいてほしい…
「山上、大丈夫?足痛む?」
心配する優しい声が、顔の直ぐ近くで問い掛ける。
「大丈夫…」
痛むのは足じゃなくて心なんだよ…
確かに足は痛かった。だけど、今は恥ずかしさで足の痛みが分からなくなっている。
これならもしかして歩けるんじゃね?と淡い期待を持ち、顔を隠す両手の隙間から足首を見たが、制服から覗く赤くなった足は無理ですよーと主張してくる。
ハハハ、知ってたー
視線を足から俺をお姫様抱っこするイケメンに動かすと、強すぎるキラメキに目が死にそうになった。
美の暴力…
「どうかした?」
「何でもない…」
ここから保健室までそんなに距離はない。
俺は心を無にすることにした。
一瞬訪れた静けさ。
次いで起こる、黄色い悲鳴。
「キャー!何あれ!ヤバい!」
俺の心が一番ヤバいから…
周りからの視線の恥ずかしさに両手で顔を隠すが、女子達の黄色い声がより鮮明に耳に聞こえるようになってしまった。
「ヤバい!思考が追い付かない!」
「暗記したやつ全部とんだんだけど!」
「写真に納めないと!」
「あのお姫様抱っこしてるイケメン誰!?」
「抱っこされてるの山上君だよね?」
もう、放っておいてほしい…
「山上、大丈夫?足痛む?」
心配する優しい声が、顔の直ぐ近くで問い掛ける。
「大丈夫…」
痛むのは足じゃなくて心なんだよ…
確かに足は痛かった。だけど、今は恥ずかしさで足の痛みが分からなくなっている。
これならもしかして歩けるんじゃね?と淡い期待を持ち、顔を隠す両手の隙間から足首を見たが、制服から覗く赤くなった足は無理ですよーと主張してくる。
ハハハ、知ってたー
視線を足から俺をお姫様抱っこするイケメンに動かすと、強すぎるキラメキに目が死にそうになった。
美の暴力…
「どうかした?」
「何でもない…」
ここから保健室までそんなに距離はない。
俺は心を無にすることにした。