メールは、安否確認、というタイトルで、高校名が末尾に添えられていた。
〈校内で行方不明者が発生したため、安否の確認を行います。現在の安否情報を、WEBで至急、回答してください。回答のURLは……〉
藍の言う通り、確かに訓練だなんてどこにも書いていなくて、しかも、安否確認の理由は、校内で行方不明者が出たから、だそう。
一気に色々な疑念が浮かび上がってきて、なんだか怖くなってきたとき、真昼たちとの4人のグループトークに、日菜からのメッセージが入った。
〈行方不明って、ほんとなのかな?〉
学校からの安否確認のメールに疑念を持ったのは、藍だけじゃなかったらしく、
日菜の不安げな表情が、メッセージ越しにも伝わってきた。
訓練じゃないの? って送ってきたのは真昼で、でもどこにも訓練って書いてないよね、と続けて送ってきたのは陽世だった。
何だか不穏な空気を感じ取りながら、あたしはメッセージアプリのブロックリストを開いて、その一覧を眺めた。
藍と一緒にいるときにブロックした、千歳色、の名前。
彼が関わってないことを祈った。
確認を彼に取りたい気持ちと、彼には必要以上に関わらない方が良い、という直感がせめぎ合って、勝ったのは後者、直感の方だった。
そもそも、訓練かもしれないし。学校側が書き忘れているだけで。
そんな希望を抱きながら、あたしは一抹の不安とともに、ベッドで眠った。
あたしの願いは虚しく終わった。
次の日の朝、学校が臨時休校になったということが、一斉送信のメールで伝えられたのだ。