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どうでも良い通知ばかり届くスマホに腹が立って、あたしはため息をついた。
「紬乃はもう少し藍くんのこと待ってる?」
真昼の言葉に、うん、と頷く。真昼は、じゃあ私帰るからー、と言って教室を出て行った。
真昼は、あたしたちのグループにおいてはとりわけ派手な部類だ。真昼は元サッカー部キャプテンの彼氏がいて、しかもその彼は藍と仲が良い。
そんなこともあってか、あたしと真昼は、グループ内でも自然と一緒にいることが多く、たまに休日に誘いあって遊びに行くくらいの仲ではある。
そんな真昼に軽く手を振る。コンビニのアルバイトにでも行くのだろう。
教室にひとり取り残されたあたしは、手持ち無沙汰にスマホを触ってみるものの、友達からのメッセージが溜まっているだけで、一番上にピン留めしてある藍のトークルームに通知は来ていない。
遅い。
もう20分も待っているのに、藍が全然迎えに来ない。
昼休みに送った、じゃあ教室で待ってる、というメッセージには既読もついているし、藍があたしとの約束を忘れている、とも考えにくい。
はあ、とひとつだけ息を漏らしてから、あたしはスマホを持って立ち上がった。
その足で藍のクラスに向かうと、中に人の気配を感じた。後ろ側のドアから覗き込むと藍の姿をすぐに見つけることができたので、あたしは少しだけ声を張り上げた。
「藍ー?」
あたしの声で、藍がこちらを振り返る。なんだ、いるじゃん、と思ったのは束の間、すぐに違和感に気づく。
そのとき藍の隣には、森田がいた。