その後、2日間にわたる体育祭は全日程が滞りなく終了した。
藍は閉会式の挨拶を終えると、学校中の先生と生徒の全員から、1人じゃ背負い切れないくらいに大きな拍手をもらっていて、遠目でも、藍が涙ぐんでいるのがわかった。
達成感とか、無事に体育祭を終えた安堵とか、みんなからの温かい言葉の嬉しさとか、そういうのが入り乱れた藍の表情が何だかすごく愛しくて、思い切り抱きしめたくなってしまった。
そんな欲を押しとどめながら、あたしも藍に拍手を贈った。
藍の所属するC組は、まるで藍へのお膳立てとでも言わんばかりに、体育祭では総合優勝を勝ち取り、あたしの所属するB組は、総合3位と、まあそこそこに微妙な順位となった。
まああたしたちのクラスは、そこまで運動部が多いクラスってわけでもなかったし、C組が体育祭ガチ勢だとしたら、B組はエンジョイ勢、って感じだったから、クラスのみんなは概ね楽しめて良かったね、って感じで結果には満足していた。閉会式が終わった後には、真昼なんかが打ち上げしようね! だなんて騒いでいた。
C組の女子たちなんかは、優勝が決まって感動で号泣していたりして、こんなときばかり盛り上がる彼女たちを少しだけ冷めた目で見つつも、だけどそんな盛り上がりの中心にはやっぱり藍がいたりして、少し、寂しい気もする。
クラスでの集合写真を撮り終わって、真昼たち4人でも、クラスのみんなとも一通り写真を撮り終えて、じゃあそろそろ解散か、だなんて雰囲気になったとき、ふと、藍の姿が目に映った。