体育祭1日目は、ほぼ球技大会みたいなもので、午前中は自分のクラスの、ドッジボールの試合の応援に行ったり、真昼たちと写真を撮って過ごした。
午後は、藍と真昼の彼氏がバスケの試合に出る予定だったから、あたしと真昼は、一旦他のみんなとは別行動になって、体育館に向かった。
藍と真昼の彼氏はクラスが同じで、しかも2人ともバスケの試合に出るっていうから、あたしたちはすでに上がっているテンションをさらに上げていく。
楽しみだね、とか、たくさん写真撮らなきゃ、とか言っちゃって。
体育館に着くと、藍のクラス、C組は、2年生のクラスとの試合をちょうど始めたばかりといったところで、すでに体育館には、C組のクラスTシャツを着た応援の人で溢れ帰っていた。
けれど、C組のクラスTシャツ集団の中に、1人だけ、あたしたちと同じ赤色のTシャツを着ている女の子がいる。
「あれ、坂下っち来てたの?」
その子に話しかけたのは真昼の方で、坂下っちと呼ばれた女の子、あたしはそこまで仲良くないから坂下ちゃんと呼んでいるが、その坂下ちゃんが真昼の声に反応した。
「真昼! やっと会えた〜! 敦くんの応援?」
真昼は、そうそう! と言いながら話を合わせている。
坂下ちゃんはあたしとは同じクラスの女の子だ。真昼とは中学時代の部活が一緒だったらしくて、真昼と彼女はそこそこ仲が良い。
ふたりはお互い、クラス内で所属しているグループは違うし、休日に遊びに行く程の仲ではないけれど、たまに会っては恋バナをしたり、行事で写真を撮るくらいの関係、のようだ。
快活な子だし、ちゃんと距離感わかってるタイプの子だから、あたしは別に坂下ちゃんのことは嫌いじゃなくて、こうやってばったり出くわしたときにでも、お疲れ様、だなんて挨拶をするくらいの関係性だ。