「あれ、でも何でお前のぞみって子のこと知ってんの?」
歩きながら疑問に思って聞いてみる。入院中の俺よりも正晴の方が知っているということが不思議だった。
「いつも冬の病室行く時に、その子の病室の前を通るからね。何回もネームプレート見てたら覚えちゃった」
ついでに、正晴は三日に一回は俺を訪ねてくる。嬉しいには嬉しいが、さすがに多すぎる気もする。言うと怒られるから言わないが。
それにしても、普通そう簡単に覚えてしまうものだろうか。俺は毎日のようにそこの前を歩いているはずだが、全然覚えがない。
俺が周りを見ていないのか、正晴がよく周りを見ているのか。はたまたその両方なのか。それは俺自身には分かりっこないことだった。
「あ、ここだ」
少し歩くと正晴がある病室の前で足を止めた。
確かにネームプレートには「小咲のぞみ」とある。
とりあえず俺は白いドアを控えめにノックした。
「これ開けて大丈夫だよな?」
そのままドアに手をかけたところで、なんだか急に不安になって正晴を仰いでしまう。いざとなってビビるなんて男としてどうなのかと思うが、こういったことに慣れていないので仕方がない。
正晴はにっこり……というより、ニヤッと笑うと、勝手にドアを開けてしまった。こいつは本当にいい性格をしていやがる。
歩きながら疑問に思って聞いてみる。入院中の俺よりも正晴の方が知っているということが不思議だった。
「いつも冬の病室行く時に、その子の病室の前を通るからね。何回もネームプレート見てたら覚えちゃった」
ついでに、正晴は三日に一回は俺を訪ねてくる。嬉しいには嬉しいが、さすがに多すぎる気もする。言うと怒られるから言わないが。
それにしても、普通そう簡単に覚えてしまうものだろうか。俺は毎日のようにそこの前を歩いているはずだが、全然覚えがない。
俺が周りを見ていないのか、正晴がよく周りを見ているのか。はたまたその両方なのか。それは俺自身には分かりっこないことだった。
「あ、ここだ」
少し歩くと正晴がある病室の前で足を止めた。
確かにネームプレートには「小咲のぞみ」とある。
とりあえず俺は白いドアを控えめにノックした。
「これ開けて大丈夫だよな?」
そのままドアに手をかけたところで、なんだか急に不安になって正晴を仰いでしまう。いざとなってビビるなんて男としてどうなのかと思うが、こういったことに慣れていないので仕方がない。
正晴はにっこり……というより、ニヤッと笑うと、勝手にドアを開けてしまった。こいつは本当にいい性格をしていやがる。