「あ、雨」
名前のことを考えていたら、のぞみがポツリと言った。窓の外を見ると、たしかに雨が降っていた。
「冬くん、傘持ってきた?」
「折りたたみがある」
リュックを指さして答える。今日に限らず、常に折りたたみ傘は持ち歩くようにしている。そんなに強い雨ではないので、折りたたみ傘でも問題なさそうだ。
「そういえば」
雨を見ていたら、ふと親友の顔が浮かんだ。窓の方を眺めていたのぞみが、こちらを振り返って首をかしげる。
「正晴って俺の友達いるだろ? あいつも、晴れって字が名前につくのに雨男なんだよ」
昔、正晴が自分の雨男っぷりを嘆いていたのを思い出す。たしかに、正晴と遊びに行くと雨が降ることが多かった。
「へー、そうなんだ! じゃあ、みんな名前とは違うんだねぇ」
のぞみは驚いた顔をしてから、ふむふむとうなずいた。結局名前なんて、そういうものなのかもしれない。むしろ、名前を体現してる人の方が少ない気さえした。
名前のことを考えていたら、のぞみがポツリと言った。窓の外を見ると、たしかに雨が降っていた。
「冬くん、傘持ってきた?」
「折りたたみがある」
リュックを指さして答える。今日に限らず、常に折りたたみ傘は持ち歩くようにしている。そんなに強い雨ではないので、折りたたみ傘でも問題なさそうだ。
「そういえば」
雨を見ていたら、ふと親友の顔が浮かんだ。窓の方を眺めていたのぞみが、こちらを振り返って首をかしげる。
「正晴って俺の友達いるだろ? あいつも、晴れって字が名前につくのに雨男なんだよ」
昔、正晴が自分の雨男っぷりを嘆いていたのを思い出す。たしかに、正晴と遊びに行くと雨が降ることが多かった。
「へー、そうなんだ! じゃあ、みんな名前とは違うんだねぇ」
のぞみは驚いた顔をしてから、ふむふむとうなずいた。結局名前なんて、そういうものなのかもしれない。むしろ、名前を体現してる人の方が少ない気さえした。