さて、落し物を届けると決めたのはいいが、どうやって彼女を探したら良いのだろうか。
院内の造りに慣れていたことから考えると、彼女はおそらくここの患者だろう。そして、この階に来るような患者といえば入院患者しかいない。
それなら、看護師に聞けばいいのかもしれないが、ここの看護師とは昔からの付き合いだからなのか、からかわれることが多いので嫌だ。
とりあえず、一度自分の病室に戻って、着替えてから彼女を探すことにする。このままでは体中がベタベタしていて気持ちが悪い。俺はぐっと伸びをして、自分の病室へ向かって再び歩き出した。
ガラッと病室のドアを開けると、俺のベッドの横に誰かが座っていた。いや、それが誰なのかなんて見慣れすぎて見た瞬間に分かるのだが。
「正晴、来てたのか」
俺が声を掛けると、それでやっと俺の存在に気づいたかのように、正晴は振り向いた。
「あ、冬いたんだ」
「いたんだ、じゃねーよ。ここ俺の病室。何くつろいでんの?」
「だってー、せっかくお見舞い来たのに冬いなくて暇だったんだもん」
ぷぅと軽く頬を膨らませている。男がそんなことをやっても可愛くない。親友なら尚更である。
俺はスタスタと正晴の前まで歩いていき、その膨らんだ頬を手で押した。プスーと空気が抜けて魚みたいな顔になる。普段の整った顔とは大違いだ。
面白かったのだが、これ以上やると正晴が機嫌を悪くしそうなので、手を離してベッドに座った。
院内の造りに慣れていたことから考えると、彼女はおそらくここの患者だろう。そして、この階に来るような患者といえば入院患者しかいない。
それなら、看護師に聞けばいいのかもしれないが、ここの看護師とは昔からの付き合いだからなのか、からかわれることが多いので嫌だ。
とりあえず、一度自分の病室に戻って、着替えてから彼女を探すことにする。このままでは体中がベタベタしていて気持ちが悪い。俺はぐっと伸びをして、自分の病室へ向かって再び歩き出した。
ガラッと病室のドアを開けると、俺のベッドの横に誰かが座っていた。いや、それが誰なのかなんて見慣れすぎて見た瞬間に分かるのだが。
「正晴、来てたのか」
俺が声を掛けると、それでやっと俺の存在に気づいたかのように、正晴は振り向いた。
「あ、冬いたんだ」
「いたんだ、じゃねーよ。ここ俺の病室。何くつろいでんの?」
「だってー、せっかくお見舞い来たのに冬いなくて暇だったんだもん」
ぷぅと軽く頬を膨らませている。男がそんなことをやっても可愛くない。親友なら尚更である。
俺はスタスタと正晴の前まで歩いていき、その膨らんだ頬を手で押した。プスーと空気が抜けて魚みたいな顔になる。普段の整った顔とは大違いだ。
面白かったのだが、これ以上やると正晴が機嫌を悪くしそうなので、手を離してベッドに座った。