ちなみに、佐敷は与那原町に隣接する南風原の区域に位置している。

 私はこの日、左へと進み、途中団地の住宅街を経て、佐敷小学校のある国道を真っ直ぐに行った。

 佐敷そば屋のある国道には、ほとんど信号がない。

 真っ直ぐに伸びている道のため、制限時速の五十キロを出しても、感覚的にはゆったりと走っているような錯覚に陥る。

 時々、地元の車が七十キロで追い越し禁止車線を飛び越えて、私のバイクを通過することがあり、そのたびにヒヤリとした。

 後ろに急いでいる車がいないか意識的にチェックするのだが、中道から飛び出してきた車を視認するには、タイミングが合わず気付かないこともある。

 この日も、例によって突然後ろに迫った車にギョッとさせられたうえに、追い越しをされた口であった。

 一人きりでも、愛車とのドライブはとても楽しい。

 全体的に走行車のせかせかしている場所より、当時、南部は人がいいと私は思ってもいた。

 自衛隊基地を右の山頂に眺めながら佐敷の国道を進むと、途中からカーブに入り山を登るようなコースが続く。