数十メートル向こうにようやく一つの交差点が見える辺りだった。目を凝らすと、そこから道は水平になって、大通りへと続いている様子が見えた。
(なんだろう?)
嫌な予感に似た胸の鼓動だった。
私は、自分を恐怖させる要因がどこにもないことを確認し、首をひねる。
三台になった後ろの乗用車は、しっかりと車間距離を保っていてくれているし、すれ違う数少ない車も接触することを危惧するほどの距離でもない。私のバイクも順調な走りで、燃費もいいものだから燃料もまだ充分に残っている。
なのに私は、とても不安感に襲われていた。
私は不自然なほど動揺していた。ハンドルを握る手に、なぜかRVちゃんの緊張が伝わって来るようだった。
いや、もしかしたら私の緊張が、不安感を伴ってバイクに伝わっているだけなのかもしれない。
けれど私は、まるで相棒のバイクが『早くここを離れないと』と、私の心をざわつかせて、声もなく必死に急かせるような警告を発しているような錯覚を覚えた。
(なんだろう?)
嫌な予感に似た胸の鼓動だった。
私は、自分を恐怖させる要因がどこにもないことを確認し、首をひねる。
三台になった後ろの乗用車は、しっかりと車間距離を保っていてくれているし、すれ違う数少ない車も接触することを危惧するほどの距離でもない。私のバイクも順調な走りで、燃費もいいものだから燃料もまだ充分に残っている。
なのに私は、とても不安感に襲われていた。
私は不自然なほど動揺していた。ハンドルを握る手に、なぜかRVちゃんの緊張が伝わって来るようだった。
いや、もしかしたら私の緊張が、不安感を伴ってバイクに伝わっているだけなのかもしれない。
けれど私は、まるで相棒のバイクが『早くここを離れないと』と、私の心をざわつかせて、声もなく必死に急かせるような警告を発しているような錯覚を覚えた。