いつもそうだった。

 全てを持っている主役に憧れていた。

 いつも皆が話しかけるのは、頼りにしているのは主役で。

 愛嬌もない、コミュニケーション能力もない、おまけに容姿も悪い脇役は引き立て役にしかならなかった。

 羨ましい。

 そんな風に生きれたらもっとこの世界は、楽しかったのかな。優しかったのかな。自由だったのかな。

 そう考える度に、心が黒く染まっていく。

 目の前でこれでもかというほど存在を主張している夕日。

 私もこんな風に堂々と生きれたら、誰かに見てもらえるのかな。

 愛してもらえるのかな。自分のこと好きになれるのかな。

 私も主役になれるのかな。