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 悩んで、苦しんで、傷ついて、迷って……暗闇を漂うくらげのように、あてもなく彷徨う夜には、どうか町外れの路地裏にある『薬屋 夜海月』を、そっと訪ねてきて欲しい。

 長い夜を越えて、新しい朝を迎え、また次の夜には、自ら輝けるように。
 きっと優しい笑顔と魔法のような素敵な薬で、その心を癒すから。
 あたたかな飲み物と共に、きみの歩んできた物語に寄り添うから。
 夜空に輝く星のように、闇に紛れてしまっても消えることのない、きみだけの煌めきを見つけるお手伝いをするから。

 今宵も『薬屋 夜海月』は、夜の片隅でひっそりと明かりを灯す。まだ見ぬきみと、出会うために。

「いらっしゃいませ、ようこそ、『薬屋 夜海月』へ。……きみがもう、夜に迷いませんように」