すれ違い様、そんな言葉が聞こえた。

 「……え?」

 振り返ると、一人の男子生徒の背中が目に映る。

 「輝明……くん?」

 小学校の頃までは仲が良かった幼馴染み。

 同じ中学、高校と進学してたけど……。声をかけられるなんて、何年ぶりだろう?

 もう彼は、陽キャ集団と合流して楽しそうに話してる。

 「……小学校の頃とは違うんだ。仕方ない」

 すれ違いながら声をかけた理由にも、納得ができる。

 僕と話してるなんて、陰キャの仲間だと周りから思われると考えたんだろう。

 スクールカーストが違うんだ。

 無邪気な小学生の頃と関係性も変わるのは、諦めるしかないことだ――。