「え? なにこれ」

「なになに」

「あれ。三角形のシーソーみたいなのある」

 朝谷は何かを指をさしていた。

 それは小さい公園があった。

 マンション内の近くにある四角形程の幅の公園があり、入り口に入ったら、真ん中に三角形のシーソーがあった。

「これ、なに」

 夜倉はパンツのポケットに両手を入れてから、頭をかいていた。

「よっちゃんも来なよ。ほらほら」

 朝谷はシーソーに座っていた。

 夜倉が目を離したすきにいつの間にかシーソーにいた。

 シーソーの方に朝谷は夜倉を呼び寄せる。

「……っ…座らない。俺、そこにある馬みたいなものに座るわ」

 夜倉はシーソーには乗らずに馬みたいな乗り物に乗り、ブラブラと揺れていた。

 公園には馬みたいな乗り物が2つあり、ベンチが二つ、大きい滑り台があった。

 すぐ傍にはマンションがあった。

「よっちゃん……」

 朝谷は馬みたいな乗り物に乗っている夜倉を呼ぶ。

「………っ…ありがとな。さっき」

 夜倉は下を俯いて、乗り物を揺らしていた。

 照れてるのか顔を上げずにハンドルを両手を握りしめていた。

「なんで、よっちゃん。あの時、何も言わなかったの」

 シーソーに朝谷は一人で乗り、身体を揺らして、乗り物を動かしてた。