なんか分からないけど、むかついてきた。

 昼越が店員を呼んで、注文したあとに、話の話題は朝谷とつむぎが所属しているバスケの話になった。

「バスケ部って強いですよね。しかも、モテ男ばかりじゃないですか。モテ男ナンバーワンのつむぎさんですよね」

 昼越は興奮気味に前のめりで肘をついて、ずっとつむぎを見てきた。

「おいおい、よせよ。こうきだろ。普通。なぁ、こうき」

 嬉しそうに朝谷の肩にバンッと叩く。

 肩を叩くのはつむぎが照れている時にする行為だ。

「こうきだろ。女の子の扱い慣れてるだろう。俺は姉いるからな」

 朝谷はチラッと夜倉を見てから、つむぎの方に目を向ける。

「そうなんですね。俺も姉一人います。同じっすね。握手してください」

 昼越は真っ直ぐにつむぎに握手を求めてきた。

 最初は企んでいたつむぎは昼越に褒められると、顔が緩んでいった。

「お待たせしました。ドリンク4つです。こちらはコーヒーで。メロンジュースで……りんごジュースとココアです。以上でよろしいでしょうか」

 店員はそう言ってから、ドリンクを置いて去っていた。

「朝谷さんは兄弟いるんですか?」