男子高校生二人の方に近づくと、そこには見た顔があった。

「よっちゃん!」

 朝谷は笑って楽しそうにしている夜倉を初めて見た。

 それにいつもよりもよく話している。

 遠目でも分かるほど目を輝かせていた。

「こうき。最近仲良くなった人だよな」

「ああ」

 朝谷は返事をすると、夜倉と確か前あいさつした昼越がいた。

「すいません。お邪魔していいですかね?」

 つむぎは申し訳なさそうに礼をしているが、言葉では全然そう聞こえない。

 邪魔してやると意気込むように口角を上げていたが、その笑いは何かを企んでいる証拠だ。

「あ…いや…」

 夜倉は返事に困っていると、昼越が代わりに返事した。

「いいですよ。え? いいですよね。師匠。大体、今日学びたいこと学べましたし」

 昼越は夜倉の方を見て、いいですよねと催促してくる。

 前髪を隠していても絶対嫌な表情をしている。

 そっと前髪から覗く目は静かに訴えていた。

 イヤだと……

 それを察しない昼越は夜倉が返事をする前に、どうぞどうぞと座るように誘導していた。

「じゃあ、お邪魔します」