夜倉は下を向いてから担任の顔を見合わせた。

「ああ……、バスケ始まる前かな。そのあと、朝谷どっか行ってそのままバスケには参加しなかったみたいだな。だから、欠席扱いになったみたいだけど。次は参加するって元気に今もバレーやってるぞ。逆に元気過ぎて怖いんだけどな」

 担任はおちゃらけたようにあははと大きい口を開いて腕を組んでいた。

「すいません。俺行きます。失礼します」

 夜倉は担任の横を通り過ぎて、走った。

「おい、走ると具合が悪くなる一方だぞ。夜倉。いきなりどうしたんだ」

 担任は夜倉に叫んだあと、夜倉とは反対方向に歩いて行った。

 体調が悪いってなんでそんなこと言ったんだ。

 夜倉が参加したくないのが分かったからか。

 さっきほど、店員とお客の関係ではなく、友達になった。

 けど、友達になる前にそんなことして、夜倉が嬉しいと思うのか。

 バレーがやっている体育館に向かう。

 着くと、そこは最終予選の試合をしていた。

 試合には朝谷もその中にいた。

 試合を応援している人たちでいっぱいでうちわを持って大声で叫んでたり、行け行けと手を叩いて応援していた。