生徒や先生や保護者はいろんな人と話をしたり、生徒同士でスマホで写真を撮りあったり、クラスで作ったTシャツを着て、ポーズをしたり、日焼けをしないように日焼け止めや男子もリップを塗っている人もいた。

 人それぞれ、楽しんでいる模様だ。

 中継車からのアナウンスのように夜倉は他人事のように心の中で思い、早く終わってくれないかと思っていた。

 クラスTシャツを着て、半ズボンを履き、両腕を組んで、立ち尽くしていた。

 球技が始まるのを待っている間、座る場所もあるが、周りを見ると誰も座っていないので立って眺めることにした。

 夜倉には友達や親しい人もいない。

 まぁ、昼越とは話すけど、香水がなかったら話さない陽キャだからな。

「お待たせしました。これからバスケをしたいと思います。体育館に移動お願いします」

 アナウンスが流れて、参加者の方は体育館の中に入っていた。

 夜倉はバスケの参加者なので仕方なく、足を体育館に向けて歩き始めた。

「師匠!!」

 右から何か来たと思いきや、ワンコの様に駆け足で夜倉の所に来た。

「…昼越。お前もバスケなのか」

「師匠もなんですね。うわー、師匠がバスケなんですね」