「きみさ、なんでそんなに取りたいの。そんなにフィギュアが大事?」

 夜倉は向かい合った男子高校生に率直に聞きたかったことを聞いた。

 男子高校生こうきは夜倉を直視してから、はぁとため息をついてから声を発した。

「ただ取りたいんです。ほしいじゃない。取りたいって気持ちが強いんです」

 男子高校生こうきはフィギュアが欲しいというわけではなく、取りたいという気持ちが強いのか。

 そこまでして取りたいなにかがあるのかと思うと、男子高校生こうきをそこまでする何かが気になる。

「……頑張りすぎて、部活休んだりしないでくださいね」

 夜倉はそう言ってから、右手を挙げて、男子高校生こうきの横を通り過ぎようとした。

「店員さん。その葉っぱの意味知ってますか」

 男子高校生こうきはパンツのポケットに右手を突っ込み、夜倉に聞いてきた。 

 え? 夜倉が持っている葉っぱのこと?

 意味なんてあるのか。

「…まぁ、知りませんよね。この葉っぱは折ったり裂いたり、さまざまなもので使えるんです。しかも、料理の下に敷いていたり、この美しい模様も綺麗なんです」

 急に笑みを浮かべて、男子高校生は話し始めていた。

「…詳しいね」