ゲームセンターにはプリ機やUFO キャッチャー、コインゲームなどたくさんある。

「……あの…」

「はい。何でしょうか」

 後ろから声を掛けられて、振り向いた。

「アルバイト店員さん」

「あっ…きみは…」

 フィギュアを取りたい男子高校生。

 夜倉と同じ高校に通い、学年も一緒。

「再チャレンジで来たんです」

 男子高校生こうきは意気揚々と仁王立ちで両手を腰に当てて元気いっぱいに言ってきた。

 はぁ、まだ懲りてないのか。

 夜倉は下を向いてから、目の前にいる男子高校生こうきに視線を戻す。

「…俺は常連さんに紹介して、教えたりしませんからね。それでも一人でやるの?」

 面と向かうと、前よりも意志が固い目をしていた。

 本気の目をしている。

 以前よりも獲物を絶対捕えるぞというように右拳にグーを作って、よしと意気込んでいた。

 まだ、頑張るのか。

 なぜフィギュアごときでその一体を取りたいのか。

 最初見た時から疑問に思っていた。

 学生一人で来てるなぁという印象であった。

 それ以降、週二で来ていたのが週四で顔を出していた。

「…それでもやります。俺どうしてもあのフィギュア取りたいんです」