「「違う!」」

二人同時に目の前にいる警察さんに言い放つ。

「いや、間違いなくこの人ですよね」

警察さんは反論してきた。

「違います。この子のことよく見ました? この子は口元にほくろがあります。だが、この犯人はない。そして、前髪がこいつはぱっつんだけど心愛は右側によせてるし、鞄も緑色のものは持っていない。今持っている黒鞄しかないんですよ」

 奈津は噛むことなく、デスクの上にバンッと叩いてから警察さんに睨みつけて言う。

「え?」

警察さんを心愛を二度見した。

「え? そんなことない……」

警察さんが言った途端、女性警察官は警察さんに前置きなくお伝えしていた。

「失礼します。盗んだ犯人、今、捕まりました!」

「え? いや、そんなはずはない……」

警察さんは心愛と奈津と果揶を同時に見ていたが、顔には汗が噴き出していた。

「認めてもらえますかね? 警察さん?」

心愛はデスクを右手でバンッと叩いてから、睨みつける。

「…すいませんでした!」

警察さんは謝り、訳わからない言い訳をつけて謝罪を繰り返した。

「じゃあ、警察さん。なんか謝ってもこっちは全然伝わってこないですけど。二人とも私いくね」