私、心愛は今、大変なことになっている。

黒ジャージで黒パンツに黒帽子を被っていたせいか警察官に連行されている。

「あの…私違います。人違いです」

何故かって……

遡ること4時間前。

「いらっしゃいませ~」

コンビニでバイトをしてから、仕事が終わり帰り道を普通に歩いていた。

その時、急に私の左腕を掴んできた。

「警察です。あなたを現行犯で逮捕します。16時15分、犯人を確保。至急至急現場に」

 短髪の男性警察官が警察手帳を見せてから、心愛の両腕を捕んで、手錠をかけられた。

「警察さん。あの…誰かと間違ってませんか」

「お前だろ、やったの。分かってんだよ。間違うとかないから。はい、行くよ。パトカー乗って」

 心愛はパトカーに乗せられそうになる。

「あの…本当に私違います。人違いです。誰か助けて!!」

 パトカーに乗りたくなくて、心愛は周りにいた誰かに叫ぶ。

だが、警察官が連行する光景を見たら、うわー、この人犯人だって確信する。

声なんてかけてくれない。

どうしよう……

あっ、そうだ。

「警察さん。あの…連絡したい人がいるんですけどいいですか。急なんで」

「……なら、警察署行ってからにしてくれ。連絡はこちらがする。電話番号教えろ」

「はい…」

心愛は何も対抗できない。

仕方なく、心愛は警察署に行くことになった。

果揶の電話連絡先を警察さんに教えた。

警察署の取調室にいた心愛は果揶からの電話を待つことにした。

「…今から来る。その間、なんで靴下盗んだ?」

警察さんは取調室にあったパイプ椅子にドカッと音を立てて座った。

「はぁ?」

何言ってんだ、なぜ靴下盗んだ。いやいや…待って。

趣旨が理解できない。

「お前に聞いてんだよ。靴下盗んだんだろう。証拠はそろっている」

「はい?」

 心愛は帽子を被ったまま、食い気味で前のめりになる。

「証拠? どういうものですか?」