毎回、三人で食事するときはサラダを作る。

野菜を食べれば、健康になると確信している。

「奈津!また、ドレッシングこぼした~」

「だって!ジャージに調味料つきそうだったんだもん」

「奈津!うわうわー。なんか変なの出来てるし。なにこの色!」

心愛は苦笑いを浮かべて、奈津が作ったドレッシングを興味本位でスプーンを棚から出して、ドレッシングを掬い、口の中に入れる。

「うわー、甘すぎる。いつもより甘すぎるよね」

「どれどれ」

果揶も心愛が手元に持っていたスプーンを手にして、口元に運ぶ。

「……甘っ!砂糖よりも砂糖やん」

「なにその意味不明な回答。そう? 普通じゃない。ってか、いつも甘いからいつも通りじゃない」

 奈津は甘たるいドレッシングを何回も口に運び、うーん、美味しいと言う。

 心愛と果揶は顔を見合わせて、おぇと吐き出しそうになった。

 奈津は心愛と果揶のドレッシングを味比べしていた。

「心愛のやつは味薄くて、果揶のやつは辛すぎる」

「えー、そうかな。私の方は普通だよ」

 果揶は自分の味を確かめると、うん、美味しいよと普通な顔をしていた。

「果揶のやつは確かに辛いけど。私のやつは普通だよ」