果揶はテーブルに折り紙三枚分を置き、二人に声を掛ける。

「やるー、なんかいじりたい。心愛は?」

奈津は着物からジャージに着替えていた。

「…今日はやらないーー」
 
携帯を弄ったまま、心愛は返事をする。

「なんで?」
  
 奈津は聞き返す。

「やんないもんわ、やんないわ」

心愛は少し顔をあげてから携帯を弄り、やんないって一言投げつけた。

「…やっぱ、私もやんないわ」

果揶はキッチンに行き、やらないと告げる。

「なんでよ」

奈津はぶっーと口を膨らませて、つまんないーとポツリと呟いた。

「忘れてたけど。…作り置きしなきゃだったし。折り紙折りたいけど……今週の分までおかずないし」

「じゃあ、うちらも手伝うから」

奈津は立ち上がり、キッチンに向かう。

「私も手伝うよ」

「奈津と心愛はいいよー。毎回、手伝ってもさ、分かってるよね」

「え? なに聞こえない」

右耳に右手をもっていき、奈津は聞こえないふりをする。

「私も聞こえない。じゃあ、これやるよ。混ぜるだけでしょ」

いつの間にか立ち上がっていた心愛は冷蔵庫を開けて、複数の調味料を出す。

「ねぇ、待ってよー、二人とも~」

果揶は二人に声を掛けるが、笑っていた。

心愛が出した調味料を奈津が手に持ち、レタスやにんじんしりしりがあり、そのうえにオリジナルのドレッシングをかける。