♢
翌朝。
僕が学校に着く頃には夏目はもう教室にいて、スマホを見ていたんだ。
「はい。ちゃんと読んできたぞ」
「ん?あぁ」
「………」
それだけ?
もっとこう……何かあるだろ。
僕はせっかく妹の漫画を借りて色々勉強して来たと言うのに。
「妹の漫画借りて他も読んできた」
「何か収穫あった?」
「んー……」
正直少女漫画って読んだ事なかったけど、あれってすげーんだな。学校生活のなかで主人公が好きな男に対しての恋愛要素って言うの?主人公がドキドキするシーン。あれが重なって好きになっていくんだから納得できる。
読みながら“女子ってこんな事好きなんだ”って思ったもんなぁ。
「黙ってどーしたんだよ」
「んー?学ぶ事がめっちゃあったなーって思って」
「そりゃ良かったな」
「うん。所でさ、今日はバイト休み?」
「何で?」
「また色々教えてもらおうと思って。夏目詳しいし」
「今日はバイト」
「そっか。まぁバイトなら仕方ねーよな。明日は?」
「明日も明後日も無理」
「明々後日は……?」
「無理。バイト」
「……」
何だよ。ずっとバイトじゃん。
教えてくれるんじゃなかったのかよ……。
「何?寂しんだ?」
「は?ば、ばかちげーし!僕はただ教えてもらいたいだけで……!」
「言ったろ?顔に出やすいって」
「っ……」
誤魔化したつもりだったのに、そんな事言われれば何も言えなくなる。
何なんだよ……こいつ。
「今週の日曜なら空いてるけど?」
「え?」
「長く一緒にいる分、教えられる事もいっぱいあると思うけど」
「マジ!?」
それはめちゃくちゃ嬉しいんだが!!
「ふは、ほんとわかりやすいな。藍って」
あ。
夏目が笑った。
夏目ってこんな風に笑うんだ……。
何かちょっと良いかも、と思う自分がいて。夏目の笑った顔を見つめていると「何?」とか言ってくるから「夏目も笑う事あるんだな」って、照れ隠しからちょっかいを掛けてしまった。
「もう藍の前で笑わねー」
「嘘嘘ごめん」
「……」
「……」
そんなくだらない会話をして、僕達は一緒になって笑い合ったんだ。
翌朝。
僕が学校に着く頃には夏目はもう教室にいて、スマホを見ていたんだ。
「はい。ちゃんと読んできたぞ」
「ん?あぁ」
「………」
それだけ?
もっとこう……何かあるだろ。
僕はせっかく妹の漫画を借りて色々勉強して来たと言うのに。
「妹の漫画借りて他も読んできた」
「何か収穫あった?」
「んー……」
正直少女漫画って読んだ事なかったけど、あれってすげーんだな。学校生活のなかで主人公が好きな男に対しての恋愛要素って言うの?主人公がドキドキするシーン。あれが重なって好きになっていくんだから納得できる。
読みながら“女子ってこんな事好きなんだ”って思ったもんなぁ。
「黙ってどーしたんだよ」
「んー?学ぶ事がめっちゃあったなーって思って」
「そりゃ良かったな」
「うん。所でさ、今日はバイト休み?」
「何で?」
「また色々教えてもらおうと思って。夏目詳しいし」
「今日はバイト」
「そっか。まぁバイトなら仕方ねーよな。明日は?」
「明日も明後日も無理」
「明々後日は……?」
「無理。バイト」
「……」
何だよ。ずっとバイトじゃん。
教えてくれるんじゃなかったのかよ……。
「何?寂しんだ?」
「は?ば、ばかちげーし!僕はただ教えてもらいたいだけで……!」
「言ったろ?顔に出やすいって」
「っ……」
誤魔化したつもりだったのに、そんな事言われれば何も言えなくなる。
何なんだよ……こいつ。
「今週の日曜なら空いてるけど?」
「え?」
「長く一緒にいる分、教えられる事もいっぱいあると思うけど」
「マジ!?」
それはめちゃくちゃ嬉しいんだが!!
「ふは、ほんとわかりやすいな。藍って」
あ。
夏目が笑った。
夏目ってこんな風に笑うんだ……。
何かちょっと良いかも、と思う自分がいて。夏目の笑った顔を見つめていると「何?」とか言ってくるから「夏目も笑う事あるんだな」って、照れ隠しからちょっかいを掛けてしまった。
「もう藍の前で笑わねー」
「嘘嘘ごめん」
「……」
「……」
そんなくだらない会話をして、僕達は一緒になって笑い合ったんだ。