「ただいまー」

クリスマスイブの朝、車で駅まで迎えに行ったお父さんと一緒に由紀が家に帰ってきた。

「おかえり。髪、伸びたね」

私は四か月ぶりに会った由紀を出迎えた。

お盆休みに帰って来た時は、インターハイ直後ということもあり、髪も短く、真っ黒に日に焼けていたけど、髪も伸びて肌の色も白く戻っていた。

夏に比べて、少しふっくらして見える。

「早紀、今日なんか予定ある?」

「いや、特になに……」

「じゃあさ、お昼食べ終わったら出かけない?冬服買いたい」

じゃあ、ちょっと寝るわ、おやすみ、と言って、あっという間に由紀は自分の部屋に入って行った。由紀は私が話し終わる前にどんどん話を進めてしまうので、私はいつも彼女のペースに合わせるよりほかなかった。

家で昼食を食べ、私と由紀は駅近くのショッピングモールに出かけることにした。

「お父さん、私たちちょっと出かけてくるね」

今日、由紀が帰ってくるということもあり、お父さんは仕事を休みにした。

「おう、気を付けて行くんだぞ。それと、お母さんが今日は早く帰ってくるから夜ご飯は食べずに待ってろって言ってたぞ」

市役所で働くお母さんは、今、仕事が一番忙しい時期らしく、年末のギリギリまで働くと言っていた。そんなお母さんが都合をつけて早く帰ってくる。久しぶりに娘の由紀が帰ってくるから、あたりまえか。

「うん、わかった。夜は食べずに帰ってくるね」

行ってきまーす、と由紀がお父さんに声をかけ、私たちは家を出た。