プレゼンが終わると俺らのブースはとんでもないことになっていた。
さっきの比じゃない行列ができ、金谷先生が悲鳴を上げる寸前だった。
「助けてー」
急いで戻り、レイアウトの運営に戻る。
穴が一つしかないので全然進まないが、文句が出ることはなかった。
特に子供連れの人が多くなった印象だ。やっぱりプラネタリウムは効果抜群だったな。
その行列は一日目の終わりまで途切れることはなかった。
忙しい一日を終え、宿泊施設に戻るとミーティングだけは忘れずやってから泥のように眠った。
二日目は朝からおお忙しいだった。入場券は二日通しのものだから昨日来た人からの口コミが広がったのか開場と同時に列が出来た。おかけでプレゼンまでトイレに行く暇すらなく目が回りそうだった。
「おう、来たぜ」
「あ、所長さん」
俺たち資料をくれた発電所の所長さんだった。
「完成したんだな」
「はい。おかげさまで」
「そうか、よかった。にしても鉄道模型なのになんで壁で覆ってるんだ?」
「それはここを覗いて見てください。レバーを引いて列車が走り出したらわかります」
「わかった」
穴を覗きレバーを引くのを確認し、ボタンを押す
「おお!こりゃすげー」
所長さんも驚かすことができたようだ。
「いやすげーな。だが、悪いけど普通の状態を見させてくれねーか?」
「わかりました」
中にライトはないので懐中電灯を渡す。
「おう。こりゃ確かに前原だ。おお!公民館がすげーリアルだ。結構大変だったろ?」
「それが一番苦労したんですよ」
何しろ小さな突起物だらけで下手したら蜂の巣が写ったんじゃないかと疑ったほどだ。
「いやーいいものを見た。しっかり活用してくれてありがとうな。懐かしかったわ」
「ありがとうございます」
所長さんはそのまま帰っていった。
そして次の人も俺たちの関係者だった。
「お父さん、お母さん」
「菜摘、来たわよ」
瀬戸さんのご家族だ。瀬戸さんのお父さんは初めて会うが、予想通り体付きがすごい。
「皆さん初めまして。自分は瀬戸菜摘の父、瀬戸勇気です」
「改めて皆さん、菜摘の母奈雪です。どうぞよろしく」
こちらも挨拶を済ませてまずはレイアウトをみてもらった。
「素晴らしい。夜行列車を使うには最高の演出だ」
一通り満足してもらえたあと、列から離れると
「すみません皆さん、ほんの少しだけ時間をください」
と、他のお客さんに頭を下げて俺らをブースから出した。
「皆さん。菜摘を助けてくれてありがとうございました」
「ありがとうございます」
教頭の策略の件のお礼を言われた
「いえ、仲間の疑いを晴らすためにやりましたから」
「当然です。友達を守っただけです」
もう俺らは全員がかけがえのない仲間になっていた。仲間を助けるのに理由などない。
改めてお礼を言ったあと、お客さんにも再度謝ってから去っていった。
それから二日目のプレゼンも昨日と同じようにどよめきを生み、さらに多くの人に見てもらえた。
そして結果発表の時間になった。
まずはHOゲージ部門から。これは関係ないけどお隣さんが総合最優秀賞を獲得した。
そして運命の一畳レイアウト部門が来た。
「優良賞」
司会の人がためにためている。この時間が心臓に悪い
「美佐島高校」
左斜め前から歓声が上がる。
「優秀賞」
またためをしてもったいぶる。ドラムロールの代わりの音が長く鳴り響く
「呉東高校」
今度はここの3つ前から歓声が上がった。
「最優秀賞」
無駄な祈りだとしても手を合わせて目を瞑る。絶対取るんだ。
「岩崎高校」
そしてまたお隣さんから歓声が上がった。
そして特別審査員賞の発表だ。
しかしどれも一向に呼ばれない。焦りが俺の中で生まれる。でもわかっていたことだった。インパクトは与えられても、技術では素人も同然。それで賞が取れるはずがないと。
「ユニーク賞」
最後のドラムロールともったいぶりが始まり、それでも祈る。
頼む、頼む、頼む!
「弥奈咲学園高校」
『!』
全員顔を上げて見合わせた。
今、確かに弥奈咲学園って……
『やったー!!』
やった……やった……俺達賞を取れた。
全員自然と涙が出てきた。
「やったねお兄ちゃん!」
「星奈!」
高ぶったまま星奈に抱きつく。そのまま受け入れてくれた。
「よかったねお兄ちゃん」
「ああ」
さっきの比じゃない行列ができ、金谷先生が悲鳴を上げる寸前だった。
「助けてー」
急いで戻り、レイアウトの運営に戻る。
穴が一つしかないので全然進まないが、文句が出ることはなかった。
特に子供連れの人が多くなった印象だ。やっぱりプラネタリウムは効果抜群だったな。
その行列は一日目の終わりまで途切れることはなかった。
忙しい一日を終え、宿泊施設に戻るとミーティングだけは忘れずやってから泥のように眠った。
二日目は朝からおお忙しいだった。入場券は二日通しのものだから昨日来た人からの口コミが広がったのか開場と同時に列が出来た。おかけでプレゼンまでトイレに行く暇すらなく目が回りそうだった。
「おう、来たぜ」
「あ、所長さん」
俺たち資料をくれた発電所の所長さんだった。
「完成したんだな」
「はい。おかげさまで」
「そうか、よかった。にしても鉄道模型なのになんで壁で覆ってるんだ?」
「それはここを覗いて見てください。レバーを引いて列車が走り出したらわかります」
「わかった」
穴を覗きレバーを引くのを確認し、ボタンを押す
「おお!こりゃすげー」
所長さんも驚かすことができたようだ。
「いやすげーな。だが、悪いけど普通の状態を見させてくれねーか?」
「わかりました」
中にライトはないので懐中電灯を渡す。
「おう。こりゃ確かに前原だ。おお!公民館がすげーリアルだ。結構大変だったろ?」
「それが一番苦労したんですよ」
何しろ小さな突起物だらけで下手したら蜂の巣が写ったんじゃないかと疑ったほどだ。
「いやーいいものを見た。しっかり活用してくれてありがとうな。懐かしかったわ」
「ありがとうございます」
所長さんはそのまま帰っていった。
そして次の人も俺たちの関係者だった。
「お父さん、お母さん」
「菜摘、来たわよ」
瀬戸さんのご家族だ。瀬戸さんのお父さんは初めて会うが、予想通り体付きがすごい。
「皆さん初めまして。自分は瀬戸菜摘の父、瀬戸勇気です」
「改めて皆さん、菜摘の母奈雪です。どうぞよろしく」
こちらも挨拶を済ませてまずはレイアウトをみてもらった。
「素晴らしい。夜行列車を使うには最高の演出だ」
一通り満足してもらえたあと、列から離れると
「すみません皆さん、ほんの少しだけ時間をください」
と、他のお客さんに頭を下げて俺らをブースから出した。
「皆さん。菜摘を助けてくれてありがとうございました」
「ありがとうございます」
教頭の策略の件のお礼を言われた
「いえ、仲間の疑いを晴らすためにやりましたから」
「当然です。友達を守っただけです」
もう俺らは全員がかけがえのない仲間になっていた。仲間を助けるのに理由などない。
改めてお礼を言ったあと、お客さんにも再度謝ってから去っていった。
それから二日目のプレゼンも昨日と同じようにどよめきを生み、さらに多くの人に見てもらえた。
そして結果発表の時間になった。
まずはHOゲージ部門から。これは関係ないけどお隣さんが総合最優秀賞を獲得した。
そして運命の一畳レイアウト部門が来た。
「優良賞」
司会の人がためにためている。この時間が心臓に悪い
「美佐島高校」
左斜め前から歓声が上がる。
「優秀賞」
またためをしてもったいぶる。ドラムロールの代わりの音が長く鳴り響く
「呉東高校」
今度はここの3つ前から歓声が上がった。
「最優秀賞」
無駄な祈りだとしても手を合わせて目を瞑る。絶対取るんだ。
「岩崎高校」
そしてまたお隣さんから歓声が上がった。
そして特別審査員賞の発表だ。
しかしどれも一向に呼ばれない。焦りが俺の中で生まれる。でもわかっていたことだった。インパクトは与えられても、技術では素人も同然。それで賞が取れるはずがないと。
「ユニーク賞」
最後のドラムロールともったいぶりが始まり、それでも祈る。
頼む、頼む、頼む!
「弥奈咲学園高校」
『!』
全員顔を上げて見合わせた。
今、確かに弥奈咲学園って……
『やったー!!』
やった……やった……俺達賞を取れた。
全員自然と涙が出てきた。
「やったねお兄ちゃん!」
「星奈!」
高ぶったまま星奈に抱きつく。そのまま受け入れてくれた。
「よかったねお兄ちゃん」
「ああ」