俺たち、もう別れよう。

首にやった手を忙しなく動かしながら、康介が目を伏せた。

刺激が全くないっていうか。
今の状況がさ、じいちゃん、ばあちゃんだったら理想なんだろうけど、正直今の年齢でこの関係を発展させたいとは思えないんだ。

康介の口が閉じると沈黙がやってきた。康介が何度も瞬きをした。緊張しているときの癖で、跳び箱を飛ぶための助走みたいなもの。準備が整ったのか、康介の唇がゆっくりと動いた。



すずなはさ、俺にとってもう空気みたいなんだよ。