きみがいる、この世界で。


「転校してきてから一週間ぐらいかな。涼音ちゃんとは距離がある気がした。もちろん転校してきてすぐに仲良くなることは難しいと思うんだけど、何か話す時とかどこかいく時とか、いつも気を遣っているというか、遠慮しているというか。常に顔色を窺っている気がしたの。私の勘違いかもしれないけれど」

友梨ちゃんの言葉は、衝撃的だった。
自分がそんな態度をとっていたことに気づいていなかった。

「でもね、話したり遊んだりするにつれて、その距離がなくなってきたのを感じていたの。私、素直にすごく嬉しかった。涼音ちゃんが転校してきた時から、なんだか強く思ったの。仲良くなりたい、って。だから、当たり前のように休み時間を一緒に過ごしたり、放課後出かけられることが本当に嬉しかったの」

友梨ちゃんは寂しそうに笑った。

「私、きっと何か嫌なことを言ってしまったんだよね。ごめんね……よければ、涼音ちゃんが私を避ける理由、教えてくれないかな。図々しいお願いだと思っているんだけど、私、出来るものなら、また涼音ちゃんと仲良くしたいから」

目の奥が熱くなった。友梨ちゃんが私のことを、こんなにも大切に思ってくれていたことを知らなかった。

「……何もないよ」

私の言葉に、俯いていた彼女は顔を上げた。

「本当に何もない」

「でも」

「友梨ちゃんに嫌なことなんて何もされていない。これは本当。問題は、私だったから」

恥ずかしくても、醜くても、もっと早くに話していたら、彼女に辛い思いをさせずにすんだのだろうか。
彼女にこんな顔をさせずにすんだのだろうか。

過去の自分を、また恨みたくなる。