「いいねえ、なんだか幸せをお裾分けしてもらった気分」

「ありがと。そう言ってもらえると嬉しいな」

友梨ちゃんは愛おしそうに写真を見つめる。

「まだ向日葵は満開じゃなかったんだけどね、とっても綺麗だったよ」

「向日葵畑かあ……」

高橋くん、向日葵畑、興味あるかな。

「この向日葵畑って、近くにある?」

「ここから? 電車で30分ぐらいかな。まって、今、地図送ってあげる」

間をおかずに、ピロン、と音が鳴る。友梨ちゃんから送られてきたメッセージを開くと、英語と数字が羅列されたURLが表示される。
URLを親指で押すと、地図アプリが立ち上がり、画面の真ん中に赤色のピンがさされていた。

「ちなみにここの近くに、砂浜が綺麗な海があるんだよー。遊泳区域じゃないからほとんど人いないし、のんびりできるからオススメだよ」

先程送られたきたメッセージの下にもう一つ、URLが追加される。リンク先を表示させると、教えてくれた海であろう場所が地図上に示されている。向日葵畑から歩いて10分ほどのところだった。

「ありがとう、友梨ちゃん!」

「どういたしまして! 行くなら楽しんできてね?」

「うん、本当にありがとう!!」

昨日連絡先を交換しておいてよかった。後で早速、メッセージを送ってみよう。