その後も休み時間のたび、三人は話しかけてくれた。
お昼休み、お昼ご飯を買うために途中で立ち寄ったスーパーで買ったチョコレートをカバンから取り出すと、お弁当を食べ終えた友梨ちゃんが「交換しよ！」とグミをくれた。

「グミ……！」

「うん、グミ！　あれ、グミ、好き？　食べられる？」

「もちろん。前の学校でも休み時間に友達とよく食べていたよ」

そこまで話して、陶山のことが頭によぎった。
私がいない元の世界では、陶山は誰とお昼ご飯を食べているんだろう。
私と一緒にご飯を食べる前までと同じように、サッカー部の人たちと一緒に食べているのかな。

「……おーい、涼音ちゃん？」

奈々ちゃんが目の前で手をひらひらさせている。

「大丈夫？　私もチョコレート欲しい！　交換しよ～」

「あ、うん！　いいよ！」

奈々ちゃんがくれたラムネは、信じられないことにあちらの世界でも売っている商品だった。
小学校低学年の頃、お母さんにスーパーで「一つだけお菓子買ってあげるよ」と言われた時、よく買ってもらっていたことを思い出す。
驚きと懐かしさと共に、口の中に放り込む。
シュワッと口の中でとけたラムネは、やっぱりとてもよく知っている味がした。