結局、私は一週間ほど学校を悩んだ。そして転校することに決めた。
学校に戻ることも考えたけれど、またあの環境に戻るのかと考えるだけで胃がシクシクした。
自分の気持ちが固まったその日の夜、両親に「違う学校に移りたい」と告げた。
両親がなんというのか少しだけ緊張したけれど、お父さんはあっけないほどあっさりと「わかった、次に行きたい学校考えておきなさい」と私のわがままを許してくれた。
お母さんは「次の学校は、もう少し制服が可愛いところがいいんじゃない?」といつも通りで、そんな二人を見てブワッと涙が溢れ出た。
「目にゴミでも入ったか?」とお父さんが的外れなことを言うものだから、すぐに涙は引っこんだけれど。
転校先はすぐに決まった。家から三十分ほどのところにある私立の高校。
今通っている学校よりはかなり偏差値が低くなる。
校舎も古いし、学校の最寄駅からも少し離れているから、雨の日や暑い日、はたまた寒い日はなかなか大変だろう。
それでも「ここに通いたい」と両親に言い張った理由はたった一つ。学費が安いから。
この世界にいても、もしかしたらもうあれほど辛い思いをすることはないかもしれない。
新しい学校に馴染んで、時々今感じた苦しみを思い出しながらも、毎日友達とおしゃべりをして、勉強をして、そんな毎日を繰り返す。
きっとそうなればとても幸せだ。
でも、そうはわかっていても、どうしてもまだ諦められない。
……彼と、もう一度出会う未来を。
ただでさえ転校するにはお金がかかる。
それなのに半年後、姿を消す可能性があるのに、高額な学費を払ってもらうわけにはいかなかった。
