「椛、手出して」
「これなに」
「指輪」
「稲で編んだの?」
「上手いだろ」
「うん」
「無くすなよ」
「でも、こんなの貰えない」
「お前はやりたいことをやればいい。それで、やりきった時にいつでも戻ってくればいい」
「それじゃあ何歳になるか分からないよ」
「何歳でもいい。50歳でも100歳でも」
「待っててくれるの?」
「いつまででも待つ。たぶんお前には俺がいいから」
「………」
「俺もお前がいい」
「……うん」

「その時に、ちゃんと、二人で未来の話をしよう」



どこに飛んでいっても大丈夫なように。



「かりがねの輪」fin.