そして、ブルーノは別室に呼ばれた。
「アリーナ。どうしよう?」
「行くしかないでしょ。」
「……。」
「僕も一緒に行く?」ディビッドが心配そうにきく。
「今は行かない方がいいわ。後から迎えに行ってあげて。」
「うん。そうする。」
「ブルーノくれぐれも失礼のないようにね。お行儀よくしてね。」とお母さんが言った。
「はいにゃ…。」少しだけ元気のない返事をしてブルーノは別室にトボトボと向かった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
別室では第一王子が待っていた。
「さあ、そこに座って。ブルーノ君。」
「はい。にゃ。」
「君は本当に僕の友達にそっくりなんだ。目の色もその髪の色もね。」
「こんな色はどこにでもあります。にゃ。」
「そうかい?感じる魔力もそっくりなんだけどねぇ?」第一王子は相変わらずにこやかだ。
ブルーノは下を向いて冷や汗を流した。
バレてる、完全にバレてる。
そこに、小さな女の子がトテトテとやって来た。おかっぱの黒い髪、金の瞳で可愛らしい子。
「白猫さん。」そう言ってブルーノのところへやって来た。
「お、オレはブルーノだ。白猫なんて知らないにゃ。」
「うそー白猫さんでしょう。私ね白猫さんにお礼がしたかったの。」
「お礼?」
「私を助けてくれたでしょ。ありがとうございます。にゃ。」
「お前!あのチビか?元気になったんだにゃ。人型にもなれたんだにゃ?よかったにゃー。」
「ねっ?白猫さん。」
「あっ!!ヤベッ!」
それを第一王子は目を細めて見ている。
「ふ〜ん。君はやっぱり白猫だったんだね?人型になると背も高いんだね。かっこよくて見違えたよ。」
「…ごめんなさいにゃ。言い出しづらかったにゃ。」
「どうしてだい?」
「だってお前はオレをずっと野良だと思っていただろう?」
「そうだねぇ。でも野良にしては君は綺麗だからねぇ。違うんじゃないかなーぐらいは思っていたよ。」
「そうなのかにゃ?」
「そうだよ。言ってくれたらよかったのに。」
「だってアリーナが使い魔だって言わないでっていうから……。」
「そうか、白猫はご主人の言うことをきいていたんだね?」
「そうにゃ。オレのご主人だからにゃ。」
「そうなんだね。白猫は偉いね。」
「……。」
「実はね君のお陰でサーカスの一味や聖獣の密猟者の摘発が出来たんだ。お礼がしたくてよんだんだよ。」
「お礼か?オレは別にお礼はいらないにゃ。」
「そうかい?それならご馳走するよ。また遊びに来てくれるかい?友達だろう。」
「それならいいにゃ。」
ブルーノの顔がパァと明るくなった。
「それとね、この子なんだけど私から離れなくてね。私が世話をすることにしたよ。まだ小さいから使い魔にするのは早いし今は黒猫と呼んでるんだよ。そこで白猫にお願いがあるんだ。」
「お願いかにゃ?」
「この黒猫に色々教えてほしいんだよ。狩りだってした事ないだろうし魔力の使い方とかも。」
「別にそれぐらいは教えてやってもいいにゃ。」
「そうか、よかったな。黒猫。」
「お願いしますにゃ。白猫さん。」
「おう、まかせとけ。」
「後から君のご主人にも伝えるからね。」
そしてブルーノは黒猫の先生になった。
「ご馳走を持って来させるから食べていきなさい。」
「ご馳走かにゃ?嬉しいにゃ。ちゃんとナイフとフォーク使えるにゃ。」
「器用なんだね。」
「お母さんと練習したんにゃ。」
「そうなんだね。」
そしてディビットが迎えに来るまでご馳走を食べていた。 第一王子は微笑みながらブルーノを見ていた。
ノックの音がして「ディビット・ホワイティスです。ブルーノを迎えに来ました。」と声がした。
「おや、お迎えが来たね。たくさん食べたかい?」
「食べたにゃー。」
「そろそろダンスの時間だよ。君もダンスをするかい?」
「オレ、アリーナとディビットと練習したにゃ。」
「それじゃホールに行ってダンスをしよう。」
「わかったにゃー。行くにゃー。」
ブルーノは黒猫を連れてホールに行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダンスが始まる。
アリーナにヘンリックが礼をし手を差し出す。
「アリーナ。踊っていただけますか?」
「はい喜んで。」とアリーナは手を取って踊り出す。
「ヘンリック。ステップがうまく出来ないわ。足を踏んだらどうしよう。」
「大丈夫だよ。僕に任せて。」そう言って手をアリーナの足元に向けた。
するとどうだろうアリーナの足がすぅーと浮き上がる。ドレスの裾があるので周りからは見えない。
「ねっ踊っているみたいでしょ?」
「わぁすごい。これならヘンリックの足を踏まないわ。」
2人は楽しそうにクルクル回りながら踊る。
ヘンリックの両親もアリーナの両親も楽しそうに踊る。
ブルーノは小さな黒猫を抱き上げて踊る。
第一王子とディビットはそれを見ている。
ビルバーグは相手がいないので見ていた。それでもヘンリックが踊っているのを見てるだけで嬉しかった。オレの弟は様になってるなー。かっこいい。
一曲目が終わり二曲目になった。
ヘンリックとアリーナはまだ踊る。
ブルーノは黒猫を第一王子に渡しディビットのところへやって来た。
「ブルーノ、大丈夫だったの?」
「うん。大丈夫だったにゃ。第一王子とオレは友達だからにゃ。」
「友達?」
「そうにゃ友達にゃ。」
アリーナは踊りながらまわりを見た。
リリーとマークが笑いながら踊っていた。
あれはーリリーとマークだわ。仲直りしたのね。よかった。
「アリーナ、よそ見しないで。」
「ごめんね。友達がいたから。」
「僕を見てよ。」
「わかったわ。」
2人は見つめ合って微笑んだ。
ダンスを続けて踊ったふたりは、
「喉乾いたねー」
「そうね。」
2人は飲み物をもらってバルコニーで休憩をした。
空には満天の星が出ていた。
「星が綺麗だね。」
「アリーナの方が綺麗だよ。」
そう言ってヘンリックはアリーナの頬にキスをした。
アリーナは顔も耳も赤くなった。でも、ちょっとだけ勇気を出して「お返しよ。」とヘンリックの頬にキスのお返しをした。
2人はおでこをくっつけて笑い合った。
「あらためて言うよ。アリーナ、僕と結婚して下さい。」
「ふふっ。はい。喜んで。」
2人は抱き合って唇にキスをした。
それを、星が見ていた。
「アリーナ。どうしよう?」
「行くしかないでしょ。」
「……。」
「僕も一緒に行く?」ディビッドが心配そうにきく。
「今は行かない方がいいわ。後から迎えに行ってあげて。」
「うん。そうする。」
「ブルーノくれぐれも失礼のないようにね。お行儀よくしてね。」とお母さんが言った。
「はいにゃ…。」少しだけ元気のない返事をしてブルーノは別室にトボトボと向かった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
別室では第一王子が待っていた。
「さあ、そこに座って。ブルーノ君。」
「はい。にゃ。」
「君は本当に僕の友達にそっくりなんだ。目の色もその髪の色もね。」
「こんな色はどこにでもあります。にゃ。」
「そうかい?感じる魔力もそっくりなんだけどねぇ?」第一王子は相変わらずにこやかだ。
ブルーノは下を向いて冷や汗を流した。
バレてる、完全にバレてる。
そこに、小さな女の子がトテトテとやって来た。おかっぱの黒い髪、金の瞳で可愛らしい子。
「白猫さん。」そう言ってブルーノのところへやって来た。
「お、オレはブルーノだ。白猫なんて知らないにゃ。」
「うそー白猫さんでしょう。私ね白猫さんにお礼がしたかったの。」
「お礼?」
「私を助けてくれたでしょ。ありがとうございます。にゃ。」
「お前!あのチビか?元気になったんだにゃ。人型にもなれたんだにゃ?よかったにゃー。」
「ねっ?白猫さん。」
「あっ!!ヤベッ!」
それを第一王子は目を細めて見ている。
「ふ〜ん。君はやっぱり白猫だったんだね?人型になると背も高いんだね。かっこよくて見違えたよ。」
「…ごめんなさいにゃ。言い出しづらかったにゃ。」
「どうしてだい?」
「だってお前はオレをずっと野良だと思っていただろう?」
「そうだねぇ。でも野良にしては君は綺麗だからねぇ。違うんじゃないかなーぐらいは思っていたよ。」
「そうなのかにゃ?」
「そうだよ。言ってくれたらよかったのに。」
「だってアリーナが使い魔だって言わないでっていうから……。」
「そうか、白猫はご主人の言うことをきいていたんだね?」
「そうにゃ。オレのご主人だからにゃ。」
「そうなんだね。白猫は偉いね。」
「……。」
「実はね君のお陰でサーカスの一味や聖獣の密猟者の摘発が出来たんだ。お礼がしたくてよんだんだよ。」
「お礼か?オレは別にお礼はいらないにゃ。」
「そうかい?それならご馳走するよ。また遊びに来てくれるかい?友達だろう。」
「それならいいにゃ。」
ブルーノの顔がパァと明るくなった。
「それとね、この子なんだけど私から離れなくてね。私が世話をすることにしたよ。まだ小さいから使い魔にするのは早いし今は黒猫と呼んでるんだよ。そこで白猫にお願いがあるんだ。」
「お願いかにゃ?」
「この黒猫に色々教えてほしいんだよ。狩りだってした事ないだろうし魔力の使い方とかも。」
「別にそれぐらいは教えてやってもいいにゃ。」
「そうか、よかったな。黒猫。」
「お願いしますにゃ。白猫さん。」
「おう、まかせとけ。」
「後から君のご主人にも伝えるからね。」
そしてブルーノは黒猫の先生になった。
「ご馳走を持って来させるから食べていきなさい。」
「ご馳走かにゃ?嬉しいにゃ。ちゃんとナイフとフォーク使えるにゃ。」
「器用なんだね。」
「お母さんと練習したんにゃ。」
「そうなんだね。」
そしてディビットが迎えに来るまでご馳走を食べていた。 第一王子は微笑みながらブルーノを見ていた。
ノックの音がして「ディビット・ホワイティスです。ブルーノを迎えに来ました。」と声がした。
「おや、お迎えが来たね。たくさん食べたかい?」
「食べたにゃー。」
「そろそろダンスの時間だよ。君もダンスをするかい?」
「オレ、アリーナとディビットと練習したにゃ。」
「それじゃホールに行ってダンスをしよう。」
「わかったにゃー。行くにゃー。」
ブルーノは黒猫を連れてホールに行った。
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ダンスが始まる。
アリーナにヘンリックが礼をし手を差し出す。
「アリーナ。踊っていただけますか?」
「はい喜んで。」とアリーナは手を取って踊り出す。
「ヘンリック。ステップがうまく出来ないわ。足を踏んだらどうしよう。」
「大丈夫だよ。僕に任せて。」そう言って手をアリーナの足元に向けた。
するとどうだろうアリーナの足がすぅーと浮き上がる。ドレスの裾があるので周りからは見えない。
「ねっ踊っているみたいでしょ?」
「わぁすごい。これならヘンリックの足を踏まないわ。」
2人は楽しそうにクルクル回りながら踊る。
ヘンリックの両親もアリーナの両親も楽しそうに踊る。
ブルーノは小さな黒猫を抱き上げて踊る。
第一王子とディビットはそれを見ている。
ビルバーグは相手がいないので見ていた。それでもヘンリックが踊っているのを見てるだけで嬉しかった。オレの弟は様になってるなー。かっこいい。
一曲目が終わり二曲目になった。
ヘンリックとアリーナはまだ踊る。
ブルーノは黒猫を第一王子に渡しディビットのところへやって来た。
「ブルーノ、大丈夫だったの?」
「うん。大丈夫だったにゃ。第一王子とオレは友達だからにゃ。」
「友達?」
「そうにゃ友達にゃ。」
アリーナは踊りながらまわりを見た。
リリーとマークが笑いながら踊っていた。
あれはーリリーとマークだわ。仲直りしたのね。よかった。
「アリーナ、よそ見しないで。」
「ごめんね。友達がいたから。」
「僕を見てよ。」
「わかったわ。」
2人は見つめ合って微笑んだ。
ダンスを続けて踊ったふたりは、
「喉乾いたねー」
「そうね。」
2人は飲み物をもらってバルコニーで休憩をした。
空には満天の星が出ていた。
「星が綺麗だね。」
「アリーナの方が綺麗だよ。」
そう言ってヘンリックはアリーナの頬にキスをした。
アリーナは顔も耳も赤くなった。でも、ちょっとだけ勇気を出して「お返しよ。」とヘンリックの頬にキスのお返しをした。
2人はおでこをくっつけて笑い合った。
「あらためて言うよ。アリーナ、僕と結婚して下さい。」
「ふふっ。はい。喜んで。」
2人は抱き合って唇にキスをした。
それを、星が見ていた。