ヘンリックの訓練は順調に進んでいた。
「次は青魔力を出して下さい。そうです。上手になりましたね。」
ヘンリックの手に青い光が出ている。
「青ですから水か氷のイメージで形を作って下さい。」
ヘンリックの手の上で丸い水の玉ができる。
「それに魔力を込めて下さい。」
丸い水はだんだんと大きくなり膨らんでいく。
「それを遠くに飛ばす感じで…。」
ヘンリックは手を上げホイッと投げる。すると300メートルほど先に勢いよく飛んで水の玉が弾けた。弾けた水はヘンリックやクラークの所まで飛んで来て2人はずぶ濡れになった。
「あっすみません。」
「大丈夫です。こんなに威力があれば山火事なんかすぐに消せますね。」
「そうですね。」
「では、次は氷をイメージしてみて下さい。」
ヘンリックは青の光を出し氷の固まりを作り上げた。魔力を込めて大きくする。
「今度は転がしてみましょうか?」
ヘンリックはエイッと投げた。投げてころがった後には氷が出来る。固まりは500メートルぐらいまで転がり弾けた。
ドッゴーン!!
細かい氷の破片が飛んできた。
「あっぶねぇ。」ビルバーグはびっくりした。
「あんまり魔力込めるとこうなります。」
「いえ、そんなに込めたつもりはないんですが……。」
「!!」
「!!」
2人は絶句した。
「では、氷で壁を作ってみましょう。」
ヘンリックは魔力を手の平に集め前に出した。
「壁のイメージで。」
するとヘンリックの前に氷の壁が出来上がった。ただ、大き過ぎた。高さは50メートル横は100メートルほどの壁で厚さは5メートルもあるだろうか?
「イヤイヤーデカ過ぎだろこれ?」
「そうですねぇ。軽い攻撃は防げますね。では、この氷の壁を火を使って溶かしてみましょう。」
ヘンリックは炎をイメージし手を当てる。すると氷は溶けて水になり蒸発して無くなった。
「よろしいですね。」
「スッゲェー」
「では、今日はこのぐらいにして明日は白魔力の訓練をしましょう。」
ヘンリックは初めの頃は魔力を使うととても疲れていたが今は疲れを知らない。
魔力を使い慣れてきているからである。
本人にも自覚があった。
「クラーク殿、浮遊魔法とか転移魔法はどのようして使えるのですか?」
「そうですねぇ。どちらもできないこともないと思います。まぁ、イメージをして念じる?感じですかね?」
「鍛錬すればできますかね?」
「そうですね。ヘンリック殿は魔力が十分あるのでできると思いますよ。あとー魔力を発動する時にイメージの詠唱するのもいいかもしれませんね。」
「訓練場じゃなくても鍛錬は出来ますね?」
「危なくはないですけど落ちても痛くない所ならいいでしょう。」
「わかりました。」
さぁ、後は白魔力だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日の朝、ビルバーグは朝食を作りながら考えているいた。
ヘンリックはすごいなぁ。俺より遥かに強い魔力を持ってる。やっぱ外交官にしておくのは勿体無いな。今からでも魔法騎士団に入ればいいのに。
さて、ご飯ご飯。
「おそらく今日で訓練は終わりです。あとは自分で鍛錬をして魔力を使いこなして下さい。」
「わかりました。」
「さあ、食べよう。ヘンリック、たくさん食べて頑張るんだぞ。」
「うん。」
まるでお母さんのような兄である。
訓練が始まる。
「今日は白魔力です。攻撃魔法ではありません。浄化、回復、再生が出来ます。私はこの魔力はありませんが、イメージが大切だと思っています。」
「わかりました。やってみます。」
「まずは昨日までにこの訓練場にたくさん穴を開けましたね?それを元に戻す回復をやってみて下さい。」
ヘンリックは手に白い光を出す。
それからど魔力を込めて大きくする。そして昨日開けた穴に向かって光を放つ。
すると光が穴の周りをまわって大きな光になり穴を塞ぎもとの平らな地面になった。成功だ。
「もう一度、今度は範囲を広げてやって下さい。」
手に白い光を出し魔力を込めて大きくする。先ほどのものより大きくする。そして広範囲に光を放つ。
すると辺りが光で覆われてあちこちに開いた穴が平らな地面になり元通りになっていく。
「うおおっ!!俺の弟サイコー!!」ビルバーグが叫ぶ。
クラークも目を見開き辺りを確かめる。
「できましたね。凄いです。感動ですね。」
ヘンリックはほっとした。そして嬉しく思った。
「では、次は再生です。回復と同じ感じですがもっと時間を遡っていく感じですかね?かつての姿にしていく?そんな感じで。」
また、手に光を出し大きくしていくどんどん大きくしてかつての姿をイメージしそれを地面に置く。
すると砂利を敷き詰めた地面から草や木が生えて来て大きくなっていく。
花が咲き、木々は葉を伸ばしてどんどん大きくなり辺りは森のようになった。
「ホェーッ!!訓練場が森になった!!」
「素晴らしい。ヘンリック殿すごいです!!」
「ありがとうございます。」
「人体に施す場合にも同じく行えば怪我の治療もできるはずです。」
「万能ですね。白魔力は!!ヘンリック凄いよ。やっぱり天才だよー」ビルバーグは感動しヘンリックに抱きついた。
「ありがとう。2人のおかげだよ。」
「ヘンリック殿が頑張ったからですよ。」
「頑張ったなー偉いぞー。」
「次は浄化です。これはここではできませんね。どうしますかね?」
「はい。クラーク殿。この鉱山の中に泉があるんですがいつからか濁ってしまって飲む水にならないのですが浄化でなんとかなりますか?」とビルバーグはきいた。
「試しにやってみますか?」
3人は鉱山の中に入っていった。
「もう少し先です。」
かなり奥の方へやって来た。
明かりをビルバーグは魔力で灯しながら案内をする。
「ここです。」
そこは大きな濁った池のようなところだった。
「かつてここは飲み水を汲んでいた泉だときいています。この水を浄化できればまた飲み水として使えないでしょうか?」
「さて?これは、水の浄化だけではだめですね。浄化、再生、回復を全て使わないといけないのではないでしょうか?」クラークは答えた。
「うっわぁそうかー。」ビルバーグは頭を抱えて膝を折った。
ヘンリックは「やってみるよ。」と言って手を出した。
手の平に光を出し大きくしながらイメージする。そして手の平を濁った水に伸ばし光を流していく。すると濁った泉から光が溢れてきた。鉱山の中が光で照らされる。
3人が目を開けられないほどの光だった。
やがて光が収まって消えた。
目の前にはかつての姿の泉が現れた。
水は澄み、水路を通り流れて行く。
「おおぉーっ!!」ビルバーグは大声で叫んだ。
「おお凄い。」クラークは感動した。
「へぇー凄いなぁ。」ヘンリックは目を細めて笑った。
「できたじゃないかーヘンリックは天才だー。」
「そうですね天才ですね。」
「へへっ」
「それではこれで訓練は終わりです。あとは自分で鍛練をして下さい。」
「クラーク先生、ありがとうございました。」
「それでは帰りましょう。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「俺たちしばらく風呂に入ってないだろ?臭くなってないかな?そうだ、ヘンリックの浄化でパッパッと綺麗にできないかなー?」
「えーできるかな?やってみるよ。」
ピッカッー!!
「できたじゃん!!」
「じゃあまとめてやってみるよ。」
ピッカッー!!ピッカッー!!
「おぉ素晴らしい。」
「凄いなぁ。ヘンリック。」
「へへっ。」
ビルバーグは父に訓練終了の手紙を送った。
それには訓練場が森になった事や鉱山の泉が復活した事がしたためられたが父は大袈裟に言ってるのだろうと思っていた。
しばらくして、父が廃鉱山へ鍛練に行ったときにそれを見て大袈裟でない事を知る。
「次は青魔力を出して下さい。そうです。上手になりましたね。」
ヘンリックの手に青い光が出ている。
「青ですから水か氷のイメージで形を作って下さい。」
ヘンリックの手の上で丸い水の玉ができる。
「それに魔力を込めて下さい。」
丸い水はだんだんと大きくなり膨らんでいく。
「それを遠くに飛ばす感じで…。」
ヘンリックは手を上げホイッと投げる。すると300メートルほど先に勢いよく飛んで水の玉が弾けた。弾けた水はヘンリックやクラークの所まで飛んで来て2人はずぶ濡れになった。
「あっすみません。」
「大丈夫です。こんなに威力があれば山火事なんかすぐに消せますね。」
「そうですね。」
「では、次は氷をイメージしてみて下さい。」
ヘンリックは青の光を出し氷の固まりを作り上げた。魔力を込めて大きくする。
「今度は転がしてみましょうか?」
ヘンリックはエイッと投げた。投げてころがった後には氷が出来る。固まりは500メートルぐらいまで転がり弾けた。
ドッゴーン!!
細かい氷の破片が飛んできた。
「あっぶねぇ。」ビルバーグはびっくりした。
「あんまり魔力込めるとこうなります。」
「いえ、そんなに込めたつもりはないんですが……。」
「!!」
「!!」
2人は絶句した。
「では、氷で壁を作ってみましょう。」
ヘンリックは魔力を手の平に集め前に出した。
「壁のイメージで。」
するとヘンリックの前に氷の壁が出来上がった。ただ、大き過ぎた。高さは50メートル横は100メートルほどの壁で厚さは5メートルもあるだろうか?
「イヤイヤーデカ過ぎだろこれ?」
「そうですねぇ。軽い攻撃は防げますね。では、この氷の壁を火を使って溶かしてみましょう。」
ヘンリックは炎をイメージし手を当てる。すると氷は溶けて水になり蒸発して無くなった。
「よろしいですね。」
「スッゲェー」
「では、今日はこのぐらいにして明日は白魔力の訓練をしましょう。」
ヘンリックは初めの頃は魔力を使うととても疲れていたが今は疲れを知らない。
魔力を使い慣れてきているからである。
本人にも自覚があった。
「クラーク殿、浮遊魔法とか転移魔法はどのようして使えるのですか?」
「そうですねぇ。どちらもできないこともないと思います。まぁ、イメージをして念じる?感じですかね?」
「鍛錬すればできますかね?」
「そうですね。ヘンリック殿は魔力が十分あるのでできると思いますよ。あとー魔力を発動する時にイメージの詠唱するのもいいかもしれませんね。」
「訓練場じゃなくても鍛錬は出来ますね?」
「危なくはないですけど落ちても痛くない所ならいいでしょう。」
「わかりました。」
さぁ、後は白魔力だ。
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翌日の朝、ビルバーグは朝食を作りながら考えているいた。
ヘンリックはすごいなぁ。俺より遥かに強い魔力を持ってる。やっぱ外交官にしておくのは勿体無いな。今からでも魔法騎士団に入ればいいのに。
さて、ご飯ご飯。
「おそらく今日で訓練は終わりです。あとは自分で鍛錬をして魔力を使いこなして下さい。」
「わかりました。」
「さあ、食べよう。ヘンリック、たくさん食べて頑張るんだぞ。」
「うん。」
まるでお母さんのような兄である。
訓練が始まる。
「今日は白魔力です。攻撃魔法ではありません。浄化、回復、再生が出来ます。私はこの魔力はありませんが、イメージが大切だと思っています。」
「わかりました。やってみます。」
「まずは昨日までにこの訓練場にたくさん穴を開けましたね?それを元に戻す回復をやってみて下さい。」
ヘンリックは手に白い光を出す。
それからど魔力を込めて大きくする。そして昨日開けた穴に向かって光を放つ。
すると光が穴の周りをまわって大きな光になり穴を塞ぎもとの平らな地面になった。成功だ。
「もう一度、今度は範囲を広げてやって下さい。」
手に白い光を出し魔力を込めて大きくする。先ほどのものより大きくする。そして広範囲に光を放つ。
すると辺りが光で覆われてあちこちに開いた穴が平らな地面になり元通りになっていく。
「うおおっ!!俺の弟サイコー!!」ビルバーグが叫ぶ。
クラークも目を見開き辺りを確かめる。
「できましたね。凄いです。感動ですね。」
ヘンリックはほっとした。そして嬉しく思った。
「では、次は再生です。回復と同じ感じですがもっと時間を遡っていく感じですかね?かつての姿にしていく?そんな感じで。」
また、手に光を出し大きくしていくどんどん大きくしてかつての姿をイメージしそれを地面に置く。
すると砂利を敷き詰めた地面から草や木が生えて来て大きくなっていく。
花が咲き、木々は葉を伸ばしてどんどん大きくなり辺りは森のようになった。
「ホェーッ!!訓練場が森になった!!」
「素晴らしい。ヘンリック殿すごいです!!」
「ありがとうございます。」
「人体に施す場合にも同じく行えば怪我の治療もできるはずです。」
「万能ですね。白魔力は!!ヘンリック凄いよ。やっぱり天才だよー」ビルバーグは感動しヘンリックに抱きついた。
「ありがとう。2人のおかげだよ。」
「ヘンリック殿が頑張ったからですよ。」
「頑張ったなー偉いぞー。」
「次は浄化です。これはここではできませんね。どうしますかね?」
「はい。クラーク殿。この鉱山の中に泉があるんですがいつからか濁ってしまって飲む水にならないのですが浄化でなんとかなりますか?」とビルバーグはきいた。
「試しにやってみますか?」
3人は鉱山の中に入っていった。
「もう少し先です。」
かなり奥の方へやって来た。
明かりをビルバーグは魔力で灯しながら案内をする。
「ここです。」
そこは大きな濁った池のようなところだった。
「かつてここは飲み水を汲んでいた泉だときいています。この水を浄化できればまた飲み水として使えないでしょうか?」
「さて?これは、水の浄化だけではだめですね。浄化、再生、回復を全て使わないといけないのではないでしょうか?」クラークは答えた。
「うっわぁそうかー。」ビルバーグは頭を抱えて膝を折った。
ヘンリックは「やってみるよ。」と言って手を出した。
手の平に光を出し大きくしながらイメージする。そして手の平を濁った水に伸ばし光を流していく。すると濁った泉から光が溢れてきた。鉱山の中が光で照らされる。
3人が目を開けられないほどの光だった。
やがて光が収まって消えた。
目の前にはかつての姿の泉が現れた。
水は澄み、水路を通り流れて行く。
「おおぉーっ!!」ビルバーグは大声で叫んだ。
「おお凄い。」クラークは感動した。
「へぇー凄いなぁ。」ヘンリックは目を細めて笑った。
「できたじゃないかーヘンリックは天才だー。」
「そうですね天才ですね。」
「へへっ」
「それではこれで訓練は終わりです。あとは自分で鍛練をして下さい。」
「クラーク先生、ありがとうございました。」
「それでは帰りましょう。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「俺たちしばらく風呂に入ってないだろ?臭くなってないかな?そうだ、ヘンリックの浄化でパッパッと綺麗にできないかなー?」
「えーできるかな?やってみるよ。」
ピッカッー!!
「できたじゃん!!」
「じゃあまとめてやってみるよ。」
ピッカッー!!ピッカッー!!
「おぉ素晴らしい。」
「凄いなぁ。ヘンリック。」
「へへっ。」
ビルバーグは父に訓練終了の手紙を送った。
それには訓練場が森になった事や鉱山の泉が復活した事がしたためられたが父は大袈裟に言ってるのだろうと思っていた。
しばらくして、父が廃鉱山へ鍛練に行ったときにそれを見て大袈裟でない事を知る。