学校では第一王子も加わり調査が行われた。
第一王子は事前にマリンについて裏で独自に調査をしていた。男爵の養子になった経緯が曖昧で、どこから来たのかがわからなかった。偶然知り合った聖獣が、マリンの魔道具について教えてくれた。この国では魅了の魔道具は禁忌とされている。持っているだけでも罪になる。マリンを捕まえるのは難しいことでは無い。だが、出所がわからなかったためそのままにして調査をしていたという。
だがそうしているうちに学校内で問題が起った。そこで男子とマリンを引き離すためにマリンと男子たちは自宅謹慎をさせていると言う。
ブリーズ国の魔法師は魔女の足取りをクラークの手紙によりある程度掴んでいた。
ブリーズ国から隣国に渡りその後は数ヶ所の国を渡り歩き途中のグリード国で石を売った。グリード国からレナ国に行きそこからグラン国にやって来た。足取りを追ううちにピナ国で国の宝物殿から盗まれた魔道具の話があった。それがあの魅了の魔道具だ。ピナ国では、それは禁忌の魔道具の為に封印をしてあった。しかし、長い間そのままにしていたために封印が解けかけていた。そして誰かがおそらく魔女がなんらかの方法でその封印を解いて盗んだ。
ピナ国を出た魔女はその魔道具を使い行く先々で魅了を使って金を稼ぎながら国から国へ渡り歩いていた。
そしてついにグラン国にやって来た。
まず、金持ちの男爵を魅了で操り養子となったマリンは学園に入って来た。おそらく、第一王子を手玉に取り王宮に入り込んで国を操るつもりだったのだろうと魔法師は言う。
まずはマリンを捕まえて魔女かどうか確かめなくてはならない。
ブリーズ国の魔導師と魔法騎士団が自宅謹慎中のマリンの家に行く。
マリンは自宅で逃走の準備をしていた。
魔法を使えるスクロールを数枚用意し金目の物と一緒に鞄に詰め込んでいた。
魔法師はまずマリンの家を結界で塞ぎ逃げられないようにし、そこに魔法騎士団が突入をする。
屋敷に入ると男性の使用人や男爵がいて皆目が虚ろになっていた。部屋を全て騎士団が周り2階の奥の部屋にマリンがいた。
それに気がついたマリンは逃走用のスクロールを使って逃げようとしたが結界の中は魔法が使えずに捕まった。
魔法騎士団はすぐさま、マリンの首からネックレスを取ると魔力を封じる縄でマリンを縛り上げた。
「何するのよっ!離せ!私は何もしてないわっ!!それ返してよっ!!」鬼のような顔をして大声を上げる。可愛い顔も台無しだ。
マリンは暴れて騒いだので口を塞がれ声が出せないようにされた。
その後、馬車に乗せられ王宮の地下牢に入れられた。魔力を封じる縄はそのままで。
マリンは牢の中でも大声を上げ私は出せ、何もしていないと騒いだ。
マリンの首にあったネックレスを魔法師達が調べた結果、ピナ国で盗まれた魔道具と特徴が一致していた。それを魔法を遮る箱に収めた。
マリンが持っていたスクロールは瞬間移動ができる物ではあるがあまり遠くには行けない。破ることで発動する。これは、一般的に使われる事はなくレナ国の闇ギルドで裏取引された物であった。
その他鞄の中には宝飾品が多数。男の子達から贈られた物だった。
ただ、それだけではブリーズ国から逃走した魔女と断定が出来ない。クラークの報告による魔女の特徴、髪の色、瞳の色、左目の下の泣きぼくろこれは一致している。だが、ここにいる者はその魔女と面識が無かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ホワイティス伯爵とアンダーソン公爵は王宮の一室で話をしている。
2人でビルバーグの手紙を読んでいる。
「ヘンリックは頑張っているようだな。」
「ヘンリック君には随分と素質があったんですね。」
「ビルが言うには天才だとか。あれは弟に甘いからそんな表現をしてるんじゃないかと思うんだがな。」
「そうでしょうか?王家の血筋ですからね。あながち間違ってはいないでしょう?」
「確かに私やビルよりも習得はかなり早いがどうだかな。」
「きっと、すぐに使えるようになって帰って来ますよ。」
「そうだといいがな。」
「あとですねー学校の捜査で第一王子が言っていた聖獣のことなんですがーアレうちのアリーナの使い魔でしてー。あははっ。」
「あぁアレだな?そうかそうか。」
「で、第一王子がなんかアレを野良聖獣だと思っているらしいんですよー。」
「野良?」
「そうなんですよー。ハハッ」
「プッ、アハハハッ そうかそうかー」
「ナイショでお願いしますねー。」
「わかったわかった野良か、ハハハッ」アンダーソン公爵はお腹を抱えて大笑いをしている。
2人で笑いながら歓談をしていた。
アンダーソン公爵は笑い上戸だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日、問題を起こした男子達の家に魔法師が訪問をする事になった。
ある男の子は目は虚ろで「マリンの所へ行かなくちゃ。もっといいプレゼントを贈らなくちゃ。マリン…マリン…。」という感じだった。
両親は「最近はお小遣いもすごく使うようになって…様子もなんか変わってしまって…。」とオロオロしていた。
「これは魅了の魔法ですね。おそらくプレゼントでも要求されていたのでしょう。しばらくは暴れたり騒いだりしても、部屋から出さないようにして下さい。魅了から離れて時間が経てば正気に戻りますから。」
家から出さないようにと謹慎中の男子の家をまわって歩いた。
学校では、残りの男子や男性教師を対象に調査が行われた。
その中で魅了にかかっている者は自宅で療養の為に休ませる事になった。
学校は教師や生徒の数が少ない状態になったのでしばらく休校となった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アリーナは休みを取っていたので自宅にいた。
ヘンリックはどうしているかなー?
ブルーノは散歩から帰って来た。
「学校は休校になったにゃ。随分魅了にかかったやつがいたみたいだにゃ。」
「そうなんだね。ブルーノまた学校にいったの?」
「外からチラッと見ただけにゃ。」
「本当?なんか口の周りに付いてるけど?」
「お菓子なんか貰ってないにゃ。」
「あやしい…。」
「第一王子には会ってないにゃ。」
「またー貰って食べたのねー?」
「だってくれるんだもんにゃ…。」
「もう!!私の使い魔って言ってないよねー?」
「言ってないにゃ」
「言ったら絶交だからね。」
「絶対に言わないにゃ。」
「もうっ!!」
少しだけヘマをしたブルーノだった。
第一王子は事前にマリンについて裏で独自に調査をしていた。男爵の養子になった経緯が曖昧で、どこから来たのかがわからなかった。偶然知り合った聖獣が、マリンの魔道具について教えてくれた。この国では魅了の魔道具は禁忌とされている。持っているだけでも罪になる。マリンを捕まえるのは難しいことでは無い。だが、出所がわからなかったためそのままにして調査をしていたという。
だがそうしているうちに学校内で問題が起った。そこで男子とマリンを引き離すためにマリンと男子たちは自宅謹慎をさせていると言う。
ブリーズ国の魔法師は魔女の足取りをクラークの手紙によりある程度掴んでいた。
ブリーズ国から隣国に渡りその後は数ヶ所の国を渡り歩き途中のグリード国で石を売った。グリード国からレナ国に行きそこからグラン国にやって来た。足取りを追ううちにピナ国で国の宝物殿から盗まれた魔道具の話があった。それがあの魅了の魔道具だ。ピナ国では、それは禁忌の魔道具の為に封印をしてあった。しかし、長い間そのままにしていたために封印が解けかけていた。そして誰かがおそらく魔女がなんらかの方法でその封印を解いて盗んだ。
ピナ国を出た魔女はその魔道具を使い行く先々で魅了を使って金を稼ぎながら国から国へ渡り歩いていた。
そしてついにグラン国にやって来た。
まず、金持ちの男爵を魅了で操り養子となったマリンは学園に入って来た。おそらく、第一王子を手玉に取り王宮に入り込んで国を操るつもりだったのだろうと魔法師は言う。
まずはマリンを捕まえて魔女かどうか確かめなくてはならない。
ブリーズ国の魔導師と魔法騎士団が自宅謹慎中のマリンの家に行く。
マリンは自宅で逃走の準備をしていた。
魔法を使えるスクロールを数枚用意し金目の物と一緒に鞄に詰め込んでいた。
魔法師はまずマリンの家を結界で塞ぎ逃げられないようにし、そこに魔法騎士団が突入をする。
屋敷に入ると男性の使用人や男爵がいて皆目が虚ろになっていた。部屋を全て騎士団が周り2階の奥の部屋にマリンがいた。
それに気がついたマリンは逃走用のスクロールを使って逃げようとしたが結界の中は魔法が使えずに捕まった。
魔法騎士団はすぐさま、マリンの首からネックレスを取ると魔力を封じる縄でマリンを縛り上げた。
「何するのよっ!離せ!私は何もしてないわっ!!それ返してよっ!!」鬼のような顔をして大声を上げる。可愛い顔も台無しだ。
マリンは暴れて騒いだので口を塞がれ声が出せないようにされた。
その後、馬車に乗せられ王宮の地下牢に入れられた。魔力を封じる縄はそのままで。
マリンは牢の中でも大声を上げ私は出せ、何もしていないと騒いだ。
マリンの首にあったネックレスを魔法師達が調べた結果、ピナ国で盗まれた魔道具と特徴が一致していた。それを魔法を遮る箱に収めた。
マリンが持っていたスクロールは瞬間移動ができる物ではあるがあまり遠くには行けない。破ることで発動する。これは、一般的に使われる事はなくレナ国の闇ギルドで裏取引された物であった。
その他鞄の中には宝飾品が多数。男の子達から贈られた物だった。
ただ、それだけではブリーズ国から逃走した魔女と断定が出来ない。クラークの報告による魔女の特徴、髪の色、瞳の色、左目の下の泣きぼくろこれは一致している。だが、ここにいる者はその魔女と面識が無かった。
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ホワイティス伯爵とアンダーソン公爵は王宮の一室で話をしている。
2人でビルバーグの手紙を読んでいる。
「ヘンリックは頑張っているようだな。」
「ヘンリック君には随分と素質があったんですね。」
「ビルが言うには天才だとか。あれは弟に甘いからそんな表現をしてるんじゃないかと思うんだがな。」
「そうでしょうか?王家の血筋ですからね。あながち間違ってはいないでしょう?」
「確かに私やビルよりも習得はかなり早いがどうだかな。」
「きっと、すぐに使えるようになって帰って来ますよ。」
「そうだといいがな。」
「あとですねー学校の捜査で第一王子が言っていた聖獣のことなんですがーアレうちのアリーナの使い魔でしてー。あははっ。」
「あぁアレだな?そうかそうか。」
「で、第一王子がなんかアレを野良聖獣だと思っているらしいんですよー。」
「野良?」
「そうなんですよー。ハハッ」
「プッ、アハハハッ そうかそうかー」
「ナイショでお願いしますねー。」
「わかったわかった野良か、ハハハッ」アンダーソン公爵はお腹を抱えて大笑いをしている。
2人で笑いながら歓談をしていた。
アンダーソン公爵は笑い上戸だった。
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翌日、問題を起こした男子達の家に魔法師が訪問をする事になった。
ある男の子は目は虚ろで「マリンの所へ行かなくちゃ。もっといいプレゼントを贈らなくちゃ。マリン…マリン…。」という感じだった。
両親は「最近はお小遣いもすごく使うようになって…様子もなんか変わってしまって…。」とオロオロしていた。
「これは魅了の魔法ですね。おそらくプレゼントでも要求されていたのでしょう。しばらくは暴れたり騒いだりしても、部屋から出さないようにして下さい。魅了から離れて時間が経てば正気に戻りますから。」
家から出さないようにと謹慎中の男子の家をまわって歩いた。
学校では、残りの男子や男性教師を対象に調査が行われた。
その中で魅了にかかっている者は自宅で療養の為に休ませる事になった。
学校は教師や生徒の数が少ない状態になったのでしばらく休校となった。
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アリーナは休みを取っていたので自宅にいた。
ヘンリックはどうしているかなー?
ブルーノは散歩から帰って来た。
「学校は休校になったにゃ。随分魅了にかかったやつがいたみたいだにゃ。」
「そうなんだね。ブルーノまた学校にいったの?」
「外からチラッと見ただけにゃ。」
「本当?なんか口の周りに付いてるけど?」
「お菓子なんか貰ってないにゃ。」
「あやしい…。」
「第一王子には会ってないにゃ。」
「またー貰って食べたのねー?」
「だってくれるんだもんにゃ…。」
「もう!!私の使い魔って言ってないよねー?」
「言ってないにゃ」
「言ったら絶交だからね。」
「絶対に言わないにゃ。」
「もうっ!!」
少しだけヘマをしたブルーノだった。