そして両親が行方不明となった子供達は…
まあ普通は貧乏人の子沢山というのが通常だが
この家族は裕福であった。
父は大手の会社のエンジニアでいろいろな発明で特許を取得した人だった。
母は料理研究家で自宅でネット配信をしていて常にバズっていた。
おかげで残された兄弟はお金には困らなかった。
兄弟は家事が得意ではない。
それでもみんな頑張った。
料理はミアがやってくれていたがレパートリーが少ない。カレー、シチュー、ハンバーグのローテーション。決して不味い訳ではなかった。ただ、たまには別の物が食べたい。
洗濯はジンとケイでやったが干し方やたたみ方が下手でいつもシワシワ、ヨレヨレになった。アイロンなど誰も使えない。
掃除はみんなでやっていたが掃除をしても散らかす方が勝ってしまい結果散らかっていた。
末っ子のミミはまだ小さいので留守番をひとりで出来ない。
時々、祖父母が来て世話をしてくれていたが、
負担は大きいようだった。
長男のジンは思い切ってお手伝いさんを雇う事にした。
その後、兄弟は普通の生活になり学校にきちんと通うことができた。
両親がいなくなってそろそろ一年になる。
学校に行けば友達がいて寂しいと感じることはなかった。たが、夏休みで家にいれば思い出すのは両親のこと。
「グスッ…グスッ…おかあさーん…。」
「ヒックヒック…うぇ〜ん。マンマ〜。」
……両親というより主に母のこと。
幼い下の2人は泣いてばかりになった。
ジンは兄弟たちに気晴らしにドライブへ行こうと誘った。そして父のワンボックスカーで出かける事になった。
運転手は長男のジン。
「兄貴ー何処まで行くのー?」
「ぐるぐるパークに行こうと思うんだー。」
「遊園地かぁー久しぶりだなぁー。俺がナビ設定するわー。」
「ユウ、ミミ、遊園地だってよかったね。」
「うん、楽しみだねー。」
「ねぇ。」
ウキウキと5人兄弟は車に乗り込んだ。
「しゅっぱーつ!!」
ぐるぐるパークに行くには山を通る道と海沿いを行く道の2つある。
「兄貴ー行きは山側で帰りは海側でいい?」
「そうだな。そうしよう。」
行きは山を通りぐるぐるパークについた。
兄弟たちはアレやこれと乗り物に乗った。そして飲み物や軽食を買ってみんなで食べた。
たくさん遊んで帰りは海沿いの道を通った。
車の中では疲れたのだろうみんな居眠りをしていた。ジンは黙って車を走らせた。
すると、ドォーン!!と大きな音がして車が揺れた。ジンは慌てて急ブレーキをかけた。
キキキッー!!その振動で皆が目を覚ました。
「えっ!!なになに?」
車はまだ揺れている。ジンは何が起こったのかわからなかった。
「兄貴ーこれ地震じゃね?」
「これは大きいな。」
「海から離れないとやばくね?」
「そうだな。」
急いで海から離れようと車を走らせた。
「兄貴、もう少し行くと山の方に行ける道路があったはずだよ。」
道路には亀裂が入り所々に石や岩が落ちている。それを避けながら車を進める。なかなか前に進めなかった。
「あっあの道。」
「あそこから山の方に行けるな。もうすぐだ。」
すると、後ろの席で
「お兄ちゃん、おっきい波がこっちに来るよー!!」
「きゃーっ!!」「こわいよーっ!!」
と叫び声がした。
その瞬間、車は波にさらわれ海の中へ飲み込まれた。大きな津波に飲み込まれてしまったのだ。
その衝撃でみんな意識を無くしてしまった。
意識を失う前、ジンは海沿いの道を通った事を後悔した。
急に光が5人を包み込んだ
そして目が覚めると、最初の話に戻る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はーい。みなさん、ご理解いただけましたかー?」
「じゃあここは異世界ってこと?」
「マッジでぇ?」
「私たち異世界に召喚されたの?」
下の2人は両親と抱き合った。
「マンマ。パッパ。あいたかっちゃよー」
「あらーミミちゃん。お話ができるようになったんでちゅねぇー」
「ミミたん、パパも会いたかったでちゅよー。ユウも見ないうちに大きくなったなー。」
「お母さん、お父さん会いたかったよー。」
下の2人は両親に抱かれて嬉しそうだ。
しかし、上の3人は冷静に考えた。
もう、元の世界には戻れないらしいよ。
これからどうすればいいの?
マジでぇ?
そこに白いロープを纏った神官がやってきた。
「5人同時にといわれてましたので、タイミングをみていました。皆様にはピンチだったでしょうが我々としてはチャンスでした。」
「ピンチをチャンスにという?ベタなやつ?」
「そうとも言いますね。」
「僕たちを助けていただいたということですね?」
「そうですね。私が助けましたね。」
「ありがとうございます。」
「あざーすっ!」
「ありがとうございます。」
「どういたしまして。」とにっこりと笑った。
「これから、僕たちはどうしたらいいでしょう。元に戻れないのですよね?」
「ええ、戻れませんねー。」
「まだ、橋の設計図が完成してなかったのに…」
「オレ、明日サッカーの試合だったのに…」
「私、絵がもうすぐ完成だったのに…」
と3人はしょぼんとした。
「こちらの世界でまた一からやり直すしかありませんねー。」
「そんな…」
「バカな…」
「……」
「元気出してくださいよー大丈夫ですよーなるようになりますからー」と神官が笑いながら言った。
あまりにも軽く言われたのでこの人って?と3人は思った。
まあ普通は貧乏人の子沢山というのが通常だが
この家族は裕福であった。
父は大手の会社のエンジニアでいろいろな発明で特許を取得した人だった。
母は料理研究家で自宅でネット配信をしていて常にバズっていた。
おかげで残された兄弟はお金には困らなかった。
兄弟は家事が得意ではない。
それでもみんな頑張った。
料理はミアがやってくれていたがレパートリーが少ない。カレー、シチュー、ハンバーグのローテーション。決して不味い訳ではなかった。ただ、たまには別の物が食べたい。
洗濯はジンとケイでやったが干し方やたたみ方が下手でいつもシワシワ、ヨレヨレになった。アイロンなど誰も使えない。
掃除はみんなでやっていたが掃除をしても散らかす方が勝ってしまい結果散らかっていた。
末っ子のミミはまだ小さいので留守番をひとりで出来ない。
時々、祖父母が来て世話をしてくれていたが、
負担は大きいようだった。
長男のジンは思い切ってお手伝いさんを雇う事にした。
その後、兄弟は普通の生活になり学校にきちんと通うことができた。
両親がいなくなってそろそろ一年になる。
学校に行けば友達がいて寂しいと感じることはなかった。たが、夏休みで家にいれば思い出すのは両親のこと。
「グスッ…グスッ…おかあさーん…。」
「ヒックヒック…うぇ〜ん。マンマ〜。」
……両親というより主に母のこと。
幼い下の2人は泣いてばかりになった。
ジンは兄弟たちに気晴らしにドライブへ行こうと誘った。そして父のワンボックスカーで出かける事になった。
運転手は長男のジン。
「兄貴ー何処まで行くのー?」
「ぐるぐるパークに行こうと思うんだー。」
「遊園地かぁー久しぶりだなぁー。俺がナビ設定するわー。」
「ユウ、ミミ、遊園地だってよかったね。」
「うん、楽しみだねー。」
「ねぇ。」
ウキウキと5人兄弟は車に乗り込んだ。
「しゅっぱーつ!!」
ぐるぐるパークに行くには山を通る道と海沿いを行く道の2つある。
「兄貴ー行きは山側で帰りは海側でいい?」
「そうだな。そうしよう。」
行きは山を通りぐるぐるパークについた。
兄弟たちはアレやこれと乗り物に乗った。そして飲み物や軽食を買ってみんなで食べた。
たくさん遊んで帰りは海沿いの道を通った。
車の中では疲れたのだろうみんな居眠りをしていた。ジンは黙って車を走らせた。
すると、ドォーン!!と大きな音がして車が揺れた。ジンは慌てて急ブレーキをかけた。
キキキッー!!その振動で皆が目を覚ました。
「えっ!!なになに?」
車はまだ揺れている。ジンは何が起こったのかわからなかった。
「兄貴ーこれ地震じゃね?」
「これは大きいな。」
「海から離れないとやばくね?」
「そうだな。」
急いで海から離れようと車を走らせた。
「兄貴、もう少し行くと山の方に行ける道路があったはずだよ。」
道路には亀裂が入り所々に石や岩が落ちている。それを避けながら車を進める。なかなか前に進めなかった。
「あっあの道。」
「あそこから山の方に行けるな。もうすぐだ。」
すると、後ろの席で
「お兄ちゃん、おっきい波がこっちに来るよー!!」
「きゃーっ!!」「こわいよーっ!!」
と叫び声がした。
その瞬間、車は波にさらわれ海の中へ飲み込まれた。大きな津波に飲み込まれてしまったのだ。
その衝撃でみんな意識を無くしてしまった。
意識を失う前、ジンは海沿いの道を通った事を後悔した。
急に光が5人を包み込んだ
そして目が覚めると、最初の話に戻る。
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「はーい。みなさん、ご理解いただけましたかー?」
「じゃあここは異世界ってこと?」
「マッジでぇ?」
「私たち異世界に召喚されたの?」
下の2人は両親と抱き合った。
「マンマ。パッパ。あいたかっちゃよー」
「あらーミミちゃん。お話ができるようになったんでちゅねぇー」
「ミミたん、パパも会いたかったでちゅよー。ユウも見ないうちに大きくなったなー。」
「お母さん、お父さん会いたかったよー。」
下の2人は両親に抱かれて嬉しそうだ。
しかし、上の3人は冷静に考えた。
もう、元の世界には戻れないらしいよ。
これからどうすればいいの?
マジでぇ?
そこに白いロープを纏った神官がやってきた。
「5人同時にといわれてましたので、タイミングをみていました。皆様にはピンチだったでしょうが我々としてはチャンスでした。」
「ピンチをチャンスにという?ベタなやつ?」
「そうとも言いますね。」
「僕たちを助けていただいたということですね?」
「そうですね。私が助けましたね。」
「ありがとうございます。」
「あざーすっ!」
「ありがとうございます。」
「どういたしまして。」とにっこりと笑った。
「これから、僕たちはどうしたらいいでしょう。元に戻れないのですよね?」
「ええ、戻れませんねー。」
「まだ、橋の設計図が完成してなかったのに…」
「オレ、明日サッカーの試合だったのに…」
「私、絵がもうすぐ完成だったのに…」
と3人はしょぼんとした。
「こちらの世界でまた一からやり直すしかありませんねー。」
「そんな…」
「バカな…」
「……」
「元気出してくださいよー大丈夫ですよーなるようになりますからー」と神官が笑いながら言った。
あまりにも軽く言われたのでこの人って?と3人は思った。