「お嬢!?」


「な、なんでこんなところに‥‥‥‥‥‥‥‥」

立ち上がって、私に飛び込んできた男の子を抱き上げようとするけど、上手く持ち上がらなかった。



「____ああ、ごめん」

ひょい、と男の子を持ち上げて、手に持っていたセーターを片手で頭から被せる。

すごい。




「家にいると色々押し付けられっから、逃走中」


「そ、そうなんですか‥‥‥‥?」




「ほら、(りく)。お姉さんにごめんなさいして」

泉君が言うと、とてて、と男の子が足元に寄ってきて、「ごめんなさい」と頭を下げた。


「怪我がなくてよかったです」

どういたしまして、と返すと、また泉君に駆け寄って手を握った。


「よしよし偉いぞ」と頭を撫でられている。


かわいい。






「____あの、」


「ん?」頭を撫でていた彼が顔を上げる。







「お子さん、ですか‥‥‥‥‥‥‥‥?」



「____いや、違ぇよ」


「えっ‥‥‥‥‥‥‥‥!?」


「え、いや、本気で言ってる?それ」弟だよ、とちょっと笑って言う。