「お菓子あると、怖いくらい(なつ)くから」


「そ、そうなんですか‥‥‥‥?」



お菓子‥‥‥。

鞄の中をまさぐってみるけど、
そもそもお菓子を学校に持ってきたことがなかった。

____残念。




「シノちゃんに変な知識与えないでっ!!」


「だって本当のことじゃん」


「だって!!おいしいんだもん!!」


「なんのお菓子が好きなんですか?」


「えーっとねぇ、チョコとか、ポッキーとか、ケーキとか‥‥‥‥」


「食べ物なら、基本なんでも食うぞ」


そうなんだ。


「今度、持ってきます‥‥‥‥」


「やったぁ!!」


「いいよ、甘やかさなくて。どうせいつも食べてんだし」


「お菓子は別腹だもんっ!!」


「そんなに食べたら太るぞ~」言いながら、鞄からグミの袋を取り出す泉君。


「え、それ、くれるのっ‥‥‥‥!!?」


「ほらな、すぐ釣れる」


「本当ですね‥‥‥‥!!」


「あたし、魚扱いされてるっ‥‥‥‥!?」そんなことを言いながらも、傾けられたグミの袋に手を突っ込んでいる。